国連の活動/報告

国連の成立と目的

国連は、世界の平和と経済・社会の発展のために協力することを誓った独立国が集まってできた、ユニークな機関です。国連は、1945年10月24日に正式に発足しましたが、そのときの加盟国は51カ国でした。今では加盟国の数は192カ国に増えています。今までに国連から脱退した国はありません。インドネシアは、1965年、隣国マレーシアとの紛争を理由に一時国連を離れましたが、その翌年には再び国連に戻っています。

各国とその国民を代表するのはあくまでも政府です。国連はどの国の政府も国民も代表するものではありません。国連はいわば主権国家の組合のようなもので、加盟国が望むことだけを実行できるのです。国連はむしろ、独立した国々が集まって、個別の国の問題や、全体的な問題を話し合う場であるといえるでしょう。

国連憲章は、各加盟国の権利と義務、そして、加盟国が自ら設定した目標を達成するために何をすべきかを説明する、一連の指針となっています。ある国が国連に加盟するということは、憲章の目的と原則を受け入れるということです。1945年6月26日、50カ国の代表は、サンフランシスコで国連憲章に調印しました。ポーランドは、戦後の政府ができあがっていなかったために、代表を送ることができませんでしたが、後に憲章に署名し、第51番目の国連原加盟国となりました。

米国は、国連本部受入れ国として、憲章原文の保管を要請されました。この憲章原文は、現在もワシントンの国立公文書館に保存されています。ニューヨークの国連本部には、憲章の写しが展示されています。

国連には次の4つの重要な目的があります。

  • 全世界の平和を守ること
  • 各国の間に友好関係を作り上げること
  • 貧しい人々の生活条件を向上させ、飢えと病気と読み書きのできない状態を克服し、お互いの権利と自由の尊重を働きかけるように、共同で努力すること
  • 各国がこれらの目的を達成するのを助けるための話し合いの場となること

国連本部(ニューヨーク)に翻る加盟国旗

国連をつくろうという考えは、第2次世界大戦(1939〜1945年)の惨禍の中で生まれました。この戦争で、数百万人の人々が犠牲となり、さらに数百万人の人々が避難を余儀なくされました。都市は破壊されました。戦争を終わらせるべく協力していた世界の指導者たちは、平和をもたらし、将来の戦争を防止するような仕組みを作る必要を強く感じていました。指導者たちは、すべての国々が世界的な組織を通じて協力しなければ、これが実現しないことを悟ったのです。そして、この組織となるべきものが国連でした。
 国連は、突然にできあがったものではありません。実際に国連ができるまでには、次のように、何年もの準備が必要でした。

  • 1941年8月14日、大西洋上の軍艦で秘密会談を開いた米国のフランクリン・ルーズベルト大統領と英国のウィンストン・チャーチル首相は、大西洋憲章という、世界平和のためのプランを発表しました。
  • 1942年1月1日、26カ国の代表はワシントンで会合を開き、連合国宣言に調印しました。これらの国々は、戦争に勝利を収め、大西洋憲章を受け入れることを誓いました。
  • 1943年10月、中国、ソ連、英国および米国の代表は、モスクワで会合を開き、終戦後に、平和維持のための国際機関を設立することで合意しました。この合意はモスクワ宣言と呼ばれています。
  • 1944年の夏から秋にかけてワシントンで開かれた会議では、国際機関創設をめざす確定的なプランがはじめて作られました。この会議は、開催場所の邸宅の名前をとって、よくダンバートン・オークス会議と呼ばれています。
  • 1945年2月、ルーズベルト大統領、チャーチル首相、および、ソ連の指導者ヨシフ・スターリンは、ソ連のヤルタで会談し、安全保障理事会で用いられる投票の制度について合意しました。3人の指導者はまた、サンフランシスコで国際会議を開くことも決定しました。
  • サンフランシスコ会議(1945年4月25日〜6月26日)には、50カ国の代表が参加しました。会議では、国連憲章と、新たに設立される国際司法裁判所の法律が作成され、6月26日に満場一致で採択されました。
  • 1945年10月24日、国連憲章に調印した安全保障理事会の常任理事国5カ国を含む原加盟国の大半がこれを公式に承認したことを受けて、国際連合が正式に誕生しました。このため、毎年10月24日は国連デーとして、全世界で記念行事が行われています。

第2次世界大戦当時のワルシャワ

国際連合(United Nations)という名前は、米国のフランクリン・ルーズベルト大統領が提案したものです。この名前が最初に使われたのは、1942年。26カ国が「連合国宣言」(Declaration by United Nations)に調印した時のことでした。サンフランシスコ会議では、出席者全員が、国連憲章調印の数週間前に死去したルーズベルト大統領の業績を称え、この名前を採用することで合意しました。

第1次世界大戦後の1919年には、国際連盟が設立されています。国連と同じように、国際連盟も、世界平和の維持を目的としていました。

 

残念ながら、すべての国が国際連盟に加盟していたわけではありません。たとえば、米国は最後まで国際連盟には加盟しませんでした。加盟国の中にも、後になって脱退したり、全く決定を行えなかった国もありました。また、国際連盟には、その決定を強制する権限がありませんでした。国際連盟が失敗に終わったことで、紛争は一層激化し、ついには第2次世界大戦が勃発したのです。国際連盟は、それ自体は失敗しましたが、世界的な機関への夢を生み出しました。その結果生まれたのが国連なのです。

国連本部はニューヨークにあります。ロンドンで開催された第1回国連総会では、国連の常駐本部を米国に置くことが決定されました。現在の国連本部は、低いドーム型の国連総会ビル、ガラスと大理石でできた39階建ての国連事務局タワー、川に面した低い長方形の会議場、敷地の南西隅にあるダグ・ハマーショルド図書館の、4つの建物からなっています。

国連本部の土地と建物は、国際的な領域となっています。国連は、自分の旗を持ち、敷地内を警備する警備員を雇い、自らの郵便切手を発行しているのです。

連合国宣言の調印

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