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国際農業開発基金(IFAD)総裁、就任後初の来日

プレスリリース 09-066-J 2009年11月30日

2009 年11 月30 日(ローマ):国際農業開発基金(IFAD)のカナヨ・F・ウワンゼ総裁が今週、2009年4月の就任後初めて訪日を予定しています。ウワンゼ総裁は農水、外務、財務省高官のほか、国際協力機構(JICA)や国会議員との面談を予定しており、アフリカを中心とした食糧安全保障や気候変動などの政策課題について意見交換を行います。

IFAD の援助実績の50パーセント以上がアフリカ向けであり、日本は2012年までに対アフリカ政府開発援助(ODA)を倍増するとの公約を掲げています。ウワンゼ総裁の訪問は、IFAD が支援する数百万人にものぼる零細農民に影響を及ぼしている気候変動に関するコペンハーゲン会議の直前にあたるほか、今月ローマで開催された世界食料サミットの直後となるなど、非常に時宜を得たものとなっています。

「零細農業は私たちが直面する2つの重要な課題、すなわち食糧安全保障と気候変動とが交わった部分に位置する」とウワンゼ総裁は述べています。「零細農家は途上国の消費食料の8割を生産し、世界人口の3分の1に食料を供給している。零細農家がより多くの食料を生産することができるよう支援することで、私たちは食料供給を改善し、零細農家の収入を増やすことができる」

しかし、そうした零細農民は気候変動の危機に最もさらされているにも関わらず、それに対応する術を持ち合わせていません。ウワンゼ総裁は「零細農業への資金や先端農業技術、小口融資、そして天候不順による不作保険を確保するなど、零細農民の生き残りに必要な支援策が必要だ」と訴えます。

【参考】
日本はIFAD の主要な援助国で、今日まで、IFAD の通常予算向けに3億9千万米ドルを約束している。日本はIFAD の第8次増資に6千万米ドルの拠出誓約を行っており、その額は前回の拠出の82パーセント増となっている。日本は9件のプロジェクトに対し、6,460万米ドルの共同拠出を行っており、そのうち、4件はアジア・太平洋地域で実施されている。

日本はまた、サブ・サハラ・アフリカ(SPA)向け特別プログラムの支援のために、2,147万米ドルを追加的に拠出する旨誓約しており、また7つのIFAD プロジェクトに総額6 千万米ドルの共同拠出を行うことを誓約している。内訳は、スリランカ2件のほか、バングラデシュ、ガザおよび西岸地区、グルジア、トーゴ、ジンバブエで各1件となっている。

IFAD は日本が支援する「New Rice for Africa」(NERICA、ネリカ米)を推進している。ネリカ米は日本が中心となってその普及に努めており、日本はアフリカ稲センター(旧称 WARDA)での研究に資金協力を行っている。IFADの資金供与は、アフリカの他の地域におけるネリカ米の普及に役立てられている。