病院と学校に災害への備えを
プレスリリース 05/011-J 2005年01月21日
兵庫県神戸 -「あらゆるコミュニティの重要な都市機能を自然災害の衝撃に耐えられるものとすることが必要です。病院が壊れれば、負傷者の手当てができなくなり、学校が壊れれば、将来の世代がリスクにさらされるからです。」国連国際防災戦略(ISDR)のサルバノ・ブリセーニョ事務局長は、国連防災世界会議の席上、このように発言し、さらに「二次災害を防ぐため、病院と学校を各種災害に耐えられるようにする必要がある」と付け加えました。
社会サービスの保護と強化は非常に重要な課題であり、今回の会議でも主要検討事項の一つとなっています。会議参加者からは、学校、病院、通信、災害警報拠点をはじめとする不可欠な公共施設や物理的インフラの保護と強化を各国政府に要望する声が多く上がっています。
「病院に備えがなかったり、災害で倒壊して死者が出ることが多かったりするような状況では、人々に防災を呼びかけても何になるでしょうか。」汎米保健機構(PAHO)のジャン=リュック・ポンスレ氏はこう訴えています。1年ほど前にイランのバムを襲った大地震では、主要な病院が全滅し、基本的な社会サービスの提供ができなくなりました。
自然災害の犠牲となりやすいのが子どもたちです。先月のインド洋津波による犠牲者22万人の中には、就学児童が数千人含まれています。さらに洪水や地震、ハリケーンなどでも全世界で数千人が命を失っているのです。
「多くの国が5年以内に、防災の文化を学校に根づかせ、さらに学校自体を災害に耐えられるものにして欲しい」と語るのは、国連教育科学文化機関(ユネスコ)のルフバン・バダウィ氏です。学校がコミュニティの中で、自然災害への備えの程度を示す模範的施設と考えられていることは、災害専門家たちも認めています。
あすの閉会式で採択予定の世界会議の成果文書には、各国が2015年までに、病院と学校を災害から安全な場所にするという公約が盛り込まれる予定です。その一環として、既存の病院や校舎は自然災害の衝撃に耐えられるよう改修され、新しい病院はいずれも、各種自然災害に耐えられるような形で建設されることになるでしょう。「その実現は単にお金の問題だけでなく、政治的意思の問題でもあります。通信、輸送、ガス、水道施設など、社会のあらゆる部門を対象とすることが必要です。」ポンスレ氏はこのように述べています。
災害に強いコミュニティを作ることは、国際社会にとって最重要課題の一つです。防災会議での公約は、この目標を達成し、より持続可能な未来に道を開くことをねらいとしています。
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UN/ISDR 2005/06