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事務総長報告書『性的搾取・虐待からの保護のための特別措置:新しいアプローチ』を発表

プレスリリース 17-013-J 2017年03月13日

事務総長報告書の発表にあたり記者ブリーフィングを行う国連関係者© UN Photo/Rick Bajornas

事務総長は2017年3月9日、『性的搾取・虐待からの保護のための特別措置:新しいアプローチ』に関する報告書を発表し、総会の審議を求めました。

2017年1月、事務総長は就任したその週のうちに、緊急課題として、国連が性的搾取・虐待を予防し、これに対応する方法を目に見える測定可能な形で改善する戦略を策定するため、ジェーン・ホール・ルート特別調整官が率いる多様性に富んだ「ハイレベル・タスクフォース」を設置しました。

事務総長はビデオ・メッセージで「このような残虐行為は決して起きるべきではありません。どのような資格であれ、国連のもとで活動する者が、このような卑劣で悪質な犯罪に関与すべきではないことは明らかです」と述べました。今回の報告書は、性的搾取・虐待が平和維持部隊に限らず、国連のどの組織でも、その他どの部署でも起こり得ることを強調しています。したがって、国連はシステム全体的なアプローチを通じ、この問題に対処しなければなりません。

事務総長は「国連の兵員と職員の大多数が、しばしば危険で困難な状況の中、大きな個人的犠牲を払い、誇りと尊厳、そして私たちの支援や奉仕の対象となる人々に対する敬意を持って、その任務にあたっている」と述べました。しかし、その一方で事務総長は「長年にわたる多大な取り組みにもかかわらず、国連は依然として、性的搾取・虐待という大変痛ましい問題と闘い続けている」と付け加えました。

事務総長の報告書は、透明性と説明責任、正義の確保を基本とし、被害者を中心に据えた戦略の概要を示しています。報告書は次の4つの主要分野に重点を置いています。

  • 性的搾取・虐待(SEA)の被害者の権利と尊厳を、私たちの取り組みの最前線に据えること。
  • 性的搾取・虐待を働いた者の不処罰に終止符を打つための取り組みの一環として、報告と調査に関する一層高い透明性を確立すること。
  • 性的搾取・虐待を予防し、これに対応するための国連の取り組みを支援するため、真にマルチステークホルダー型のネットワークを構築すること。
  • 認識を高め、最良事例を共有することで、この大変痛ましい問題に終止符を打つこと。

性的搾取・虐待は、ジェンダーの不平等や差別に深く根差しています。事務総長は、制服組の平和維持要員を含め、国連の活動全般にわたって女性の数を増やせば、性的搾取・虐待を予防し、これに対応するための国連の取り組みを前進させることに役立つと確信しています。

性的搾取・虐待への対策に向けた事務総長の新しいアプローチは、加盟国との強力なパートナーシップの構築も目指していますが、この大変痛ましい問題を根絶するためには、すべての関係当事者が団結の中に力を見出す必要があります。事務総長はこれらの目標を一緒に達成できるよう、すべての当事者にこう呼びかけています。「命を救うための保護と支援を国連に求めるすべての人々の名において、そして、至高の理想を胸に、勇気を持ってこのような援助を全世界に届けている数万人の国連要員のために、目標を達成しようではありませんか」

事務総長は、この戦略の実施に強い決意で取り組んでおり、国連のリーダー層全員が直ちに行動を起こすことを指示するとともに、これを期待しています。「それこそ、私たちが奉仕する人々に対する務めです。こうした女性、男性、そして子どもたちは、国連の旗を形がないものではあるが、かけがえのない何かを象徴するものとして捉えています。それは希望です」

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