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「奴隷制度廃止国際デー(12月2日)」に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ

プレスリリース 00/114-J 2000年12月11日

世界人権宣言がその第4条で、「何人も奴隷にされ、または苦役に服することはない。奴隷制度および奴隷売買は、いかなる形においても禁止する」ことを謳ってから、50年以上が過ぎました。あらゆる形態の奴隷制度を廃止するために多くの努力が行われてきたものの、奴隷制度はなくなっていません。奴隷制度は紛れもなく存在し、場所によっては広がりさえ見せています。これはあらゆる自由な男女、すなわち、まさに人類全体にとっての恥辱です。子どもの性的搾取、児童労働、貸付担保の労働、農奴制、移民労働、家事使用人としての労働、強制労働、儀式あるいは宗教目的の奴隷制度および人身売買など、新たな形態の奴隷制度は私たちすべてに大きな挑戦を投げかけているのです。

国際社会は奴隷制度に関する条約を作成しましたが、これらさまざまな条約の批准と実施を行わず、世界中から奴隷制をなくすために何をする必要があるかを明らかにしていない国々も多く見られます。奴隷制度の終焉という目標の下にすべての国を結束させ、現実にこれをなくすことができる時が確実に訪れています。

さらに、新たな形態の搾取と圧制が奴隷制度となって現れないようにするため、また、奴隷制度に似た行為を行う責任者を明らかにし、これを止めさせるための法律と行動も緊急に必要となっています。

国際社会が人身売買の問題について進歩を遂げていることを、私は喜ばしく思います。国連越境組織犯罪条約を補完するため、「女性と子どもをはじめとする人身売買を防止、禁止および処罰する議定書」と「陸路、空路および海路による移住者の人身売買を禁止する議定書」の2つの議定書案が作成されています。私は、これらの議定書が、人権を擁護するこの基本的な闘いにおける各国の努力を新たにすることに資するものと、心から期待します。

法律文書はこの闘いの一側面に過ぎません。毎日、奴隷制が未だ存在する国で、その終焉に向けて専心する勇気ある個人が行っている努力も、それと同じくらい重要なのです。私はきょう、この目標に向けてつとめているすべての人々をたたえ、その努力が一刻も早く報われることを願いたいと思います。