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国際高齢者デー(10月1日)事務総長メッセージ

プレスリリース 13-069-J 2013年10月01日

国際高齢者デー(10月1日)に寄せる

潘基文(パン・ギムン)国連事務総長メッセージ

国際社会は、貧困に取り組み、よりよい未来を導き出すための集団的な取り組みにおいて、重大な局面を迎えました。2015年というミレニアム開発目標(MDGs)の達成期限が迫る中で、それ以降の開発に向けたビジョンをつくり上げるための議論は本格化しています。私たちはこの取り組みの中で、人口構成の変化、特に全世界で増加する高齢者のニーズと関心に目を向けなければなりません。

2050年までに、先進国では高齢者人口が子どもの2倍に達する一方で、開発途上国でも高齢者の数が倍増すると見られています。この動向は各国にも、各個人にも大きな影響を及ぼすことになります。

高齢化は大きな機会であると同時に、課題でもあるという認識が広がっています。機会としては、高齢者が社会に多く貢献することによる利益があげられます。一方、課題となるのは、今からこの理解に基づき、社会的な包摂と世代間の連帯を促す政策を採用することです。

高齢者の知恵を大切にしようという話はよく耳にしますが、高齢者は発言の機会も望んでいます。ポスト2015年開発アジェンダに関する国連の協議プロセスに対しては、100万人以上から意見が寄せられましたが、その中には高齢者も多く含まれていました。これら高齢者は、すべての人が食料、住居、きれいな水、そして衛生施設を手にし、基本的な医療や教育を受けられる世界を求めています。私の報告書『すべての人に尊厳ある暮らしを』で示した画期的なポスト2015年開発アジェンダに向けたビジョンには、こうしたメッセージが反映されています。

今年の「国際高齢者デー」にあたり、私は各国と人々に対し、高齢者の全面的な社会参加を阻む障壁を除去し、その権利と尊厳を守ることを誓うよう呼びかけます。

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©UN Photo/John Isaac