核実験に反対する国際デー(8月29日)事務総長メッセージ
プレスリリース 14-052-J 2014年08月29日
1991年のきょう、カザフスタンはセミパラチンスク付近の核実験場を閉鎖しました。1949年の同じ日に、初の核実験を行ったソ連は、その後数十年間にわたって、さらに455回の核実験を実施し、現地の住民や環境に恐ろしい影響を及ぼしていたのです。
こうした核実験や、これに続いて他国で行われた数百回の核実験は、まさにMADという略称に相応しい「相互確証破壊」というドクトリンに人間の生存を依存させるという、愚かな核軍備競争の時代を象徴するものとなりました。
私は事務総長として、広島、長崎、セミパラチンスクでの原爆投下や核実験で被爆した勇気ある生存者の方々と何度もお会いしてきました。私たちは、こうした被爆者の決意と献身的努力を見習い、核兵器のない世界を目指す活動を続けるべきです。
今年の「核実験に反対する国際デー」にあたり、私たち全員が被爆者の語る体験を新たな目で見つめ直そうではありませんか。その言葉に耳を傾け、私たち一人ひとりが自分自身の経験として、被爆の影響を想像しようではありませんか。そうすることで初めて、核兵器と核実験のない世界を目指すという私たちの決意を新たにすることの大切さを、よりよく理解できるはずです。
私は包括的核実験禁止条約(CTBT)を批准していない国々、特に条約の発効に批准が必要な残る8つの発効要件国、すなわち中国、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)、エジプト、インド、イラン、イスラエル、パキスタン、米国の市民に訴えかけたいと思います。
ともに核実験の全廃を要求し、核兵器のない世界の実現という未完の仕事に取り組むことで、より安全で豊かな未来を呼び込もうではありませんか。
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「核実験に反対する国際デー」を記念する国連総会非公式会合(2014年9月10日開催)での事務総長演説はこちら