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世界環境デー(6月5日)に寄せる潘基文(パン・ギムン)国連事務総長メッセージ

プレスリリース 10-030-J 2010年06月03日

生物多様性、すなわち、地球上の生命の驚くべき豊かさは、危険にさらされています。生物種は史上空前の速さで絶滅しています。こうした絶滅のほとんどは、水資源を汚染し、枯渇させ、生息地を改変、破壊し、地球の気候を変動させている人間の活動と結びついています。カエルからゴリラ、そして巨大な植物から小さな昆虫に至るまで、数千種の生物が危機にさらされているのです。

今年の「世界環境デー」のテーマ「多様な生物、一つの地球、一つの未来」は、この大量絶滅に歯止めをかけ、地球上の土や森、海、サンゴ礁、山々の中に住む生物数百万種の重要性に対する意識を高めようという「国際生物多様性年」の呼びかけに応えるものです。私たちの健康、福祉、そして持続可能な未来は、この複雑で繊細な生態系と生物の絡み合いに依存しています。

2010年「世界環境デー」のグローバルな記念式典のホスト国はルワンダです。アフリカ大湖地域にあるこの小さな国は、緑の開拓者としての評判を急速に高めています。希少なマウンテンゴリラをはじめ、絶滅のおそれのある生物52種が生息するルワンダは、環境の持続可能性を一国の経済成長に織り込めることを実証しています。貧困や広範な土地劣化をはじめとする多くの課題を抱えながらも、この「千の丘の国」は植林や再生可能エネルギーの活用、持続可能な農業の追求、さらには環境に優しい未来に向けたビジョンの開発に努めているのです。

首都のキガリは今年、地球とそこに暮らす数百万の生物種、そして地球上の生物同士の数限りないかかわり合いをグローバルかつ多文化的に、世代を超えて祝う行事の中心地となります。「世界環境デー」にあたり、私はキガリからキャンベラ、クアラルンプールからキトに至るまで、世界各地のあらゆる人々に対し、私たちとともに警鐘を鳴らしていただくよう呼びかけます。ぜひ参加し、声を上げてください。自分で学び、他の人々に教えてください。リーダーシップを発揮して、浄化に手を貸してください。私たちに生きる力を与えてくれる自然との絆を取り戻してください。私たちが力を合わせれば、生物多様性を守る新たなビジョンを確立できるはずです。それこそ「多様な生物、一つの地球、一つの未来」なのです。