世界人口デー(7月11日)に寄せる潘基文(パン・ギムン)国連事務総長メッセージ
プレスリリース 09-032-J 2009年07月13日
私たちは、ここ数世代で最悪のグローバル経済危機の中で、ミレニアム開発目標(MDGs)の達成に向けて前進を続けるため、もっとも効果的な方法を見出さねばなりません。今年の世界人口デーのテーマである「女性と女児への投資」こそ、その最善の道といえます。
予算が厳しさを増す中で、今回の危機は健康増進と貧困削減に向けた懸命な取り組みの成果をすべて消し去りかねません。家計所得が減少すれば、女児が退学を強いられる恐れが高まります。収益が下がれば、女性がその職と収入源を失う公算が高くなります。保険制度が影響を受ければ、女性は救命サービスなしに子供を産まねばならない恐れがあります。危機発生以前にも、1分に1人の母親が妊娠や出産時に命を落としていましたが、ほとんどすべての開発途上国では、危機によって女性がさらに深刻な貧困に陥っています。
女児教育に大きな見返りがあることはよく知られています。教育を受けた女性は、より高い賃金とよりよい職を手に入れられる傾向にあります。また、出産回数は少なく、子どもは健康で、しかも安全な出産ができる確率も高まります。
また、女性の保健、特にリプロダクティブ・ヘルスに投資すれば、50万人の母親の命が救われるだけでなく、生産性が年間150億ドルも高まると見られています。国際人口開発会議15周年を迎える今年こそ、2015年までにリプロダクティブ・ヘルスを完全普及させるための取り組みを加速していこうではありませんか。
今年の世界人口デーにあたり、私は政策決定者に対し、女性が所得を稼ぎ、娘を学校に通わせ、自発的家族計画を含むリプロダクティブ・ヘルス関連の情報とサービスを手に入れられる能力を保護するよう求めたいと思います。私たちは一丸となって、女性と女児の権利を向上させるとともに、経済の復興と成長に貢献できる生産性の高い社会の構成員として、そのエンパワーメントを図っていこうではありませんか。今も、そして将来も、これに勝る投資はあり得ないのですから。