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東ティモールの日本人PKO要員:栗田千寿さん

2011年06月02日

日本人自衛官の栗田千寿(くりた ちず)3等陸佐(京都出身、36歳)にとって、東ティモールの任地・バウカウ近辺の農村地帯に住む人々を訪れたことは、一生忘れることのできない経験になるだろう。

栗田PKO要員は国連東ティモール統合ミッション(UNMIT)の軍事連絡要員として、病院や学校、NGO、地元警察、商店などを訪問し、現地の人々のニーズや課題の把握に当たっている。

「私は国連のミッションに個人派遣された初の女性自衛官です」と栗田は語る。「これが私にとって最初で最後の海外でのミッションになるでしょうから、ここでの経験は貴重なものです。大震災の影響により日本は困難な状況に直面していますが、国連平和維持活動に参加するチャンスを得られた時は感激しました」と続けた。

栗田PKO要員の一日は朝のパトロールに始まる。午後には食糧事情から保健衛生、法と秩序、治安、政党の活動、武道グループに参加する青少年の活動に至るまで、様々なレポートを準備する。彼女のレポートは、東ティモール政府とUNMITが市民のニーズに的確に応える上で役立っている。

「最初の1カ月は大変でした。情報収集がなかなか困難でしたが、時間と共にスキルが身に付いてきます。バウカウで時には寂しさを感じることもありますが、思いやりがあり、親切で優しい同僚に恵まれ、自分は幸運だと思います」

栗田PKO要員は2011年3月に東ティモールでの活動を開始。6カ月の活動を経て日本に帰国する予定。

「日本の自衛官としてこの恵まれた立場を生かし、東ティモールの恵まれない人々が直面している困難に、世界の関心を集めていかなければならないと思っています」

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オリジナル記事(英文)はこちらをご覧下さい。

国連PKOミッションへの個人派遣としては、初の日本人女性自衛官となる栗田千寿3等陸佐©UNMIT
東ティモールのバウカウにある病院を訪れ、アニセト・マナシュ医師と衛生上の課題について話す栗田さん©UNMIT
病棟内を見回り、患者たちに話を聞く栗田さんとマナシュ医師©UNMIT