事務局
国連事務局は、世界各地の国連事務所で働くすべての国籍を代表する職員で構成され、多岐にわたる国連の日常業務を遂行する。世界の各地で働く職員の数はおよそ4万1000人で、国連の他の主要機関に役務を提供し、それらの機関が決定した計画や政策を実施する。各部局からなり、それぞれの部局は明確な行動領域と責任を有する。その長となるのが事務総長で、安全保障理事会の勧告に基づいて総会が任命する。
国連の本部はニューヨークにあり、三つの地域事務所がそれぞれジュネーブ、ウィーン、ナイロビに置かれている。それぞれが事務総長を代表する事務所で、その中にある各種国連機関に行政、一般的、その他の支援サービスを提供する。国連ジュネーブ事務所(UNOG)(www.unog.ch)はニューヨークの国連本部に次ぐ大きな事務所で、会議外交の中心であり、軍縮と人権のためのフォーラムである。国連ウィーン事務所(UNOV)(www.unvienna.org)は宇宙空間の平和利用に関する事業を管理し、薬物や犯罪に関する事務所の本部となっている。国連ナイロビ事務所(UNON)(www.unon.org)は国連と地域機関との協力を進め、環境と人間居住に関する活動の中心である。
事務局が行う任務は、広範で多岐にわたる。それは平和維持活動の管理から国際紛争の調停、人道援助計画の組織から経済的社会的動向の調査、人権や持続可能な開発に関する調査から国際協定の土台作りにまで及ぶ。事務局職員はまた、国連活動についての情報を世界の報道機関、各国政府、非政府組織(NGOs)、調査研究・学術ネットワーク、そして一般市民に提供する。世界的な重要性を持つ問題について国際会議を開催し、国連公用語で各国の代表が行う演説を通訳し、会議文書を翻訳する。また、情報交換の場ともなる。
これらの職員および事務総長は、国際公務員として世界の国々のために働いているが、その活動についての責任は国連に対してのみ負うもので、他のいかなる国家もしくは機関に対して負うものではない。また、いかなる政府または国連以外のいかなる当局からも指示を求めかつ受けないと誓う。同様に、各加盟国は、国連憲章の下に、事務総長と職員の責任のもっぱら国際的な性格を尊重し、彼らを不適切に左右するようなことはしないことを約束する。