国連グローバル・コンパクト
投資会社、GCサミットで社会・環境面での企業実績の考慮を支持
プレスリリース 04/062-J 2004年07月08日
証券取引所もグローバル・コンパクト(GC)に参加
ブラジル銀行、クレディスイス・グループ、ドイツ銀行、ゴールドマン・サックス、HSBC、およびモルガン・スタンレーを含む大手投資会社20社は、環境、社会および統治面の基準を「金融市場に関連づける」ことに支持を表明し、採算性分析と投資決定の標準要素としてこれら基準を採用するよう、金融他社に呼びかけてゆくことに同意しました。参加20社が運用する資産総額は6兆ドルに上ります。
これら20社は2004年6月24日、国連事務総長の発案により民間との間で開催された国連グローバル・コンパクト(GC)・リーダーズ・サミットの席上、「分析、資産管理および証券業に環境、社会および統治問題をさらに取り入れるための金融業界による勧告」に関する報告書を発表しました。コフィー・アナン国連事務総長が議長を務めたこのサミットには、CEOや市民・労働団体の代表数百人が出席しました。
先進国、途上国を問わず、グローバルな視点を備えた企業は、ステークホルダーの関与と企業市民性がリスク管理、さらには国際ビジネス環境の急速な変化へのより効果的な対応を行うための道具であることに気づき始めている。国連での事前記者会見でこう語ったのは、事務総長の特別顧問を務めるジョン・ラギー氏です。
ラギー氏は、短期的要因だけでなく、このような長期的な考え方も考慮すべきだと述べ、GCは、環境、人権、労働および腐敗防止に関する普遍的な合意であるという点で、「特別の属性」を備えていることを指摘しました。
これを補完する意味で、国連環境計画(UNEP)の金融イニシアチブもきょう、「株価設定にとっての社会、環境および企業統治問題の重要性(The Materiality of Social, Environmental and Corporate Governance Issues to Equity Pricing)」に関する報告書を発表しました。報告書はこの分野で活動する投資会社について、11件の事例研究を紹介しています。
証券取引所も参加
6月24日のGCリーダーズ・サミットではまた、世界10カ所の証券取引所が、上場企業との間でGCに関する情報を積極的に共有するとともに、GCとの他の協力方法も探ることに同意したとの発表もありました。これら証券取引所10カ所の時価総額は合計で3兆ドルに上ります。
加えて、ボリビアの証券取引所BOVESPAとジャカルタ証券取引所は、6月24日のサミットでGCに参加すると発表し、証券所としての初の参加が実現することになりました。GCへの参加により、企業実践について普遍的に合意された国連原則を遵守、推進する義務が生じます。
2000年6月の第1回GCサミット以来、GC参加企業は50社強から1,500社以上へと急増。国際市民団体と労働団体も加入するようになりました。
UNEPのクラウス・テプファー事務局長はきょう、クレディスイス・グループ会長のヴァルター・キールホルツ(Walter Kielholz)氏、ゴールドマン・サックスのマネージング・ディレクター、アンソニー・リン(Anthony Ling)氏、ストアブランズCEOのエスペン・クリツィング(Espen Klitzing)氏およびBOVESPA証券取引所のイサルコ・サルデンベルク(Izalco Sardenberg)氏とともに、金融機関イニシアチブの発表会に出席しました。また、金融市場調査を引き受けたスイス開発庁を代表し、セルジュ・シャパット(Serge Chappatte)大使も出席しました。
この報告書『思いやりある者が勝利する-世界の変化への金融市場の関連づけ:分析、資産管理および証券業に環境、社会および統治問題をさらに取り入れるための金融業界による勧告(Who Cares Wins: Connecting Financial Markets to a Changing World: Recommendations by the financial industry to better integrate environmental, social and governance issues in analysis, asset management and securities brokerage)』に対しては、ABNアムロ、AXAグループ、ブラジル銀行、サラジン銀行、BNPパリバ、クラヴァート・グループ、CNP保険、クレディスイス・グループ、ドイツ銀行、ゴールドマン・サックス、ヘンダーソン・グローバル・インベスター、HSBC、イノベスト、ISISアセットマネジメント、KLP保険、モルガン・スタンレー、RCM、UBSおよびウェストパックが支持を表明しています。報告書はGC事務所(globalcompact@un.org)から入手できます。
詳しくは以下にお問い合わせください。
GC事務所
Gavin Power(電話:212-963-4681、Eメール:powerg@un.org)
Matthias Stausberg(電話:917-367-3423、Eメール:stausberg@un.org)
または、
国連広報局
Tim Wall, Development Section(電話:212-963-5851、Eメール:wallt@un.org)