1.背景 グローバル・コンパクト(GC)は良き企業市民づくりを目指した自発的なイニシアチブであり、参加企業の自己啓発的な取り組みを通して普遍的な原則の促進を目指すものです。従って、参加企業の行動を監視、評価する権限や仕組みを持つものではありません。しかしながら全体として、国連およびGCのイニシアチブの誠実性(インテグリティー)確保のためにも、行動にしかるべき透明性を持たせることが必要です。従って、以下の誠実性確保の措置を設けることとなりました。
2.国連およびGCとの関わりを乱用した場合 国連とビジネス・コミュニティとの協力関係に関して一般的な原則を定めた国連・ビジネスガイドライン(http://www.un.org/partners/business/otherpages/guide.htm)では、国連の名称およびロゴマークの使用について規定を設けています。当規定をGC参加企業にも適用することとし、GC(あるいは国連)との関わりを、イニシアチブで述べられている目標以外の目的で利用した個々の企業に対し、注意を換起することになります。
GCのロゴマーク使用に関する規定については下記の通りです。
GCのロゴマークを使用するには、国連本部GC事務所にあらかじめ書面で許可を申請すること。 送付先)
- 書簡:Global Compact Office, United Nations, New York, NY 10017
- Fax:1-212-963-1207
- e-mail:globalcompact@un.org
GCのロゴマーク使用許可は、参加企業のGCに関わる活動のみに与えられるものとする。しかるべき許可無しに、いかなる商業目的にもロゴマークを活字および電子出版による広告、広報資料、製品/サービスの宣伝・証明書などに使用しないこと。GCのロゴマークを組織のロゴマークや商標と組み合わせて用いてはならない。いかなる用途であっても、文具や名刺、その他の印刷物の絵柄に用いてはならない。事業活動、サービスもしくは製品に対する証明や認可の印に結びつくようなGCロゴマークの使用への許可は与えられない。 GC事務所はこの規定に違反する動きがあった場合、相応の措置を講ずる権利を有します。深刻なケースの場合は、GC参加企業リストからの除名もあり得るものとします。
3.実行状況を発表しない場合 GCの規定では、参加企業に対して原則の実行状況をステークホルダーに毎年発表することを求めています。この規定の詳細はウェブサイトで確認することができます。また、各企業による説明書提出やGCおよびGCローカル・ネットワークのウェブサイト上に報告書へのURLリンクを設定することも求めています。2005年6月30日、あるいはGC参加から2年を満了する日のうち、いずれか後にくる日までに提出が履行されない場合は、提出が行われるまで参加企業リストから除名し、さらに、GCのイベントやローカル・ネットワークの活動への参加を認めないこととします。GC事務所は除名した企業名を公表する権利を有します。
当措置は、実行状況の発表を以前に行っていた企業であろうとも、2年もしくは2年以上発表を怠る場合には、いずれも同様に適用されます。
4.行動改善への取り組みを実行しない場合 GCは、ラーニング(学習)、対話、プロジェクト、プロセスの改善、またはその他の方法で原則の実現に向けて取り組んでいくことを表明する全ての企業を歓迎します。しかし、こうした参加企業の真剣な努力やイニシアチブ全体に悪影響を与えるような行動をとる企業に対しては、次の措置を講じます。こうした措置を講じる目的は、企業がとった行動をGCへのコミットメントに沿って実行できるように手助けすることです。
書面によって苦情が提出された場合、GC事務所は、
- 苦情の解決に向けて尽力する。
- 問題点をGCの原則の監視者である国連諸機関に報告し、助言、協力、適切な措置の実行を要請する。
- 関係する国・地域のローカル・ネットワーク、または他の参加団体に対して解決策を講じるための協力を要請する。
GC事務所は参加者にとって透明で公平な手続きをとることを約束します。苦情に対して最良の解決策を得るために、事態が解決するまでは、GCあるいは中核となる国連機関による公の報告は、行なわれないものとします。
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