国連本部でGCリーダーズ・サミット(ニューヨーク、2004年6月16日)
プレスリリース 04/049-J 2004年06月16日
~ 良き企業市民の拡大に道筋を ~
2004年6月24日、コフィー・アナン国連事務総長は国連本部で「グローバル・コンパクト・リーダーズ・サミット」を招集します。企業の最高経営責任者(CEO)、政府高官、さらには市民社会と労働運動の指導者が一堂に会するこのサミットは、企業の責任という問題に関するこれまでで最大規模の会議となります。
1日で行われるサミットには、数百名の国際的な大手企業のCEOや幹部を含め、400人以上が参加すると見られます。ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ大統領が昼食会での基調演説を行う予定です。
「普遍的な価値に根ざし、世界の貧困層に利益をもたらさない限り、グローバル化が立ち行かなくなることは明らか」と語るのは、アナン国連事務総長の特別顧問としてグローバル・コンパクト(GC)を担当するジョン・ラギー氏です。「紛争にせよ、テロにせよ、多国間主義への脅威にせよ、今日の世界が抱える緊張状態を考えれば、民間を含むグローバルなステークホルダー(利害関係者)や機関が協調して、人々と社会の共同体としての絆を強めてゆくことが、以前にも増して重要となっています。その中で、グローバルな企業市民の育成は欠かせない要素です」
サミット参加者は、GCというイニシアチブの進捗状況を審査し、今後の道のりを明らかにすることになります。GCは2000年7月に事務総長によって発足され、それ以来、目覚しい成長を遂げてきました。国際的な労働組織と市民社会団体に加え、1,400社を超える企業が参加するGCは、企業責任に関するものとしては世界最大の自主的イニシアチブとなりました。これまで50カ国以上で、GCのネットワークと活動が確立されています。
マッキンゼー社報告でグローバル・コンパクトの影響が話題に
国際的経営コンサルタント会社のマッキンゼー社は、GCに関する包括的報告書『グローバル・コンパクトの影響評価(Assessing the Global Compact’s Impact)』を発表しました。報告書は、外部の観測筋や批判者だけでなく、GC参加団体を含む幅広いステークホルダーを対象とする詳しいデータ分析やインタビュー、調査に基づくものとなっています。
マッキンゼー報告書は次のように結論しています。「当社の影響評価では、GCが企業、国連、政府およびその他の市民社会アクターに目に見える影響を与え、さらにその影響が拡大していることが明らかになった。このような成功が現在まで続いている大きな要因としては、強固な参加基盤があることと、国連がハイレベルで民間と関わるという考え方の魅力があげられる」
GC事務所のギオルク・ケル所長はこの報告書に関し、次のようにコメントしました。「マッキンゼーの調査は基本的に、GCが全体としてプラスの変化をもたらす大きな力となっていることを示しています。私たちにとっての課題は、報告書で明らかにされた主要分野に取り組み、GCの妥当性と重要性を保つことにあります。リーダーズ・サミットはまさに、その絶好の機会となるでしょう」
報告書ではその他、次のような調査結果も発表されています。
- アンケート回答者のおよそ67%はGC参加以来、人権、労働および環境の原則との関連で、自社の方針を変更したとしており、こうした方針の変化の主因がGCにあると回答したものも40%に上る。
- GCは開発途上地域での「企業責任」に対する関心を高めた。開発途上地域のアンケート回答者のうち67%近くが、企業責任の問題をよく知るためにGCに参加したとしている。
- NGOのアンケート回答者の半数以上は、GCへの参加以降、企業によるGCの原則実施に関する問題解決や決定に、さらに助力するようになったとしている。
- 報告書はしかし、「一貫した参加が見られないことと、期待が多岐にわたり、これに沿う結果が得られないことから、企業に対する影響は限られ」ており、GCに対する信頼が損なわれているとも指摘する。
- GCは、国連のネットワーク全体で企業の協力を取り付けることだけでなく、国連内部での斬新なパートナーシップの促進にも貢献した。
マッキンゼーの評価では、GCが比較的短期間で急速な成長を遂げたことが指摘されています。しかし、報告書は次のようにも述べています。「初期の実験的段階から、影響力に重点を置いた持続的成長の段階へと移行するにつれ、GCには的を絞ったビジネス重視型の参加メカニズム、強靭なローカル・ネットワーク、および、参加者やパートナーとの効果的なコミュニケーションと協力を通じて参加の価値を高め、参加者の期待をうまく管理する必要が生じよう」
事務総長は6月24日、国連の代表団ダイニングルームでグローバル・コンパクト・リーダーズ・サミットを開会します。その後、午前中には、GCの原則推進に関する企業の経験について議論する懇談会が催されます。昼食会では、ルラ・ダシルバ大統領が演説します。その後、サミット参加者はダイニングルームでさらに対話を続けた上で、夕方には総会会議場に移って本会議を開きます。事務総長は閉会の辞を述べる予定です。
詳しくは以下にお問い合わせください。
Gavin Power, Global Compact Office
電話:+1-212-963-4681
Eメール:powerg@un.org
Tim Wall, Department of Public Information
電話:+1-212-963-5851
Eメール:wallt@un.org