国連総会決議
2005年は「国際マイクロ・クレジット年」
プレスリリース 04/032-J 2004年05月20日
国連は来たる2005年を「国際マイクロ・クレジット年(International Year of Microcredit, 2005)」とすることを決定しています。マイクロ・クレジット(小額融資)を通して、開発途上国の貧困撲滅と自立を支援することを目指します。
以下は、同国際年の決定にあたって採択された国連総会の決議です。
第58会期
検討項目98
配布:一般
2004年2月19日
総会によって採択された決議
[第2委員会の報告(A/58/488)に基づく]
58/221. 国際マイクロ・クレジット年のための行動計画
総会は、
2005年を「国際マイクロ・クレジット年」と宣言し、同年を、開発途上国をはじめとするあらゆる国々における小口金融プログラムにはずみをつけるための特別な機会とすることを要請した1998年12月15日の総会決議53/197を想起し、
また、資産形成、雇用および経済安全保障を促進し、女性をはじめとする貧困層のエンパワーメントを図る重要な貧困対策ツールとしての小口金融と少額融資の役割を強調した1997年12月18日の総会決議52/194も想起し、
農村部および都市部の貧困層は、所得を増やし、資産を形成し、不況の際の脆弱性を緩和する能力を高める小口金融および少額融資へのアクセスを必要としていることを強調し、
貧困層に資本へのアクセスを提供する上で、信用貸付などの小口金融商品、貯蓄および関連の事業向けサービスが重要であることに留意し、
女性をはじめとする貧困層の小口金融と少額融資へのアクセスを容易にすることにより、自営のための零細事業を立ち上げられるようにするとともに、エンパワーメントの達成に貢献する必要性を認識し、
- 「国際マイクロ・クレジット年」のための行動計画案を含む事務総長報告1に留意する。
- 2005年を国際マイクロ・クレジット年として記念することは、貧困根絶における小口金融と少額融資の重要性に対する認識を高め、グッドプラクティスを共有するとともに、すべての国々における持続可能な貧困層向け金融サービスを支援する金融部門の動きをさらに活発化させるための有意義な機会となることを強調する。
- 国連経済社会局(DESA)と国連資本開発基金(UNCDF)に対し、国際マイクロ・クレジット年の準備および記念行事に関する国連システムの活動を共同で調整するようよう呼びかける。
- 小口金融・少額融資サービスの規模を拡大し、国際マイクロ・クレジット年を機会に、ベストプラクティスと学んだ教訓の共有を通じ、発展への効果と持続可能性を高める方法を見出すことの重要性を認識する。
- 加盟国に対し、国際マイクロ・クレジット年の準備および記念行事に関する活動の促進を担当する国内調整委員会あるいはフォーカルポイントの設置を検討するよう呼びかける。
- 加盟国、関連の国連諸機関、非政府組織(NGO)、民間および市民社会に対し、国際マイクロ・クレジット年の準備と記念行事に協力するとともに、小口金融および少額融資についての一般の意識と知識を高めるよう呼びかける。
- 小口金融と少額融資へのアクセスは、特に「国連ミレニアム宣言」2に含まれる貧困の根絶、男女平等および女性のエンパワーメントに関する目標をはじめ、主要な国連の会議およびサミットの目標達成に貢献できることを認識する。
- 小口金融と少額融資に関する地域および小地域での行事開催を奨励するとともに、この関連で、2004年2月16日から19日のダッカにおける「アジア太平洋地域におけるマイクロ・クレジット・サミット会合」の開催を歓迎する。
- 加盟国、関連の国連諸機関、非政府組織(NGO)、民間および財団に対し、国際年に関する指針に従い、国際マイクロ・クレジット年に自発的拠出やその他の援助を提供するよう奨励する。
- 事務総長に対し、加盟国、関連の国連諸機関、非政府組織(NGO)、民間および市民社会と協議の上、国際マイクロ・クレジット年の準備に関する報告を作成するとともに、「第1次貧困撲滅のための国連の10年(1997~2006年)の実施」と題する検討項目のもとで、これを第59回総会に提出するよう要請する。