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シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第69号】11/19付資料

2014年11月21日

国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。

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ウィークリー・アップデート

国連広報局(DPI)第69号/20141119

 

◆事務総長、外国人テロ戦闘員と暴力的過激主義の脅威に警鐘

潘基文(パン・ギムン)国連事務総長1119、安全保障理事会の公開会合で、テロリズムと暴力的過激主義が提起する国際的な平和と安全に対する脅威について発言しました。事務総長は安保理に対し、外国人テロ戦闘員の脅威と暴力的過激主義の災禍は、単に安全保障上の課題にとどまらず、コミュニティや国家、地域の安定と社会機構も損ないかねないと指摘しました。この脅威に対する安保理の関心の高まりを歓迎しつつ、事務総長は、テロリズムや暴力的過激主義と闘うための国際的な取り組みが強化されているにもかかわらず、シリア、イラク両国の紛争に関与する外国人テロ戦闘員が、80カ国1万5,000人を超えていると述べました。「私たちは、過激主義の台頭を許している根本的な環境について、さらに深く考え続けなければなりません。こうした課題を軍事的視点のみで捉えることに限界があることは、すでに明らかです」。事務総長はこのように指摘しました。

-事務総長の発言の詳細は以下をご覧ください。

http://www.un.org/sg/statements/index.asp?nid=8206

 

◆国連特使、アレッポの「紛争凍結」案に関する作業を開始

1117、中東に関する安全保障理事会月例会合に臨んだヤンス・トイベルグ=フランゼン政治担当事務次長補臨時代理は、シリア情勢に関する報告を行いました。同氏はその発言で、安保理に提案されているアクションプランに触れ、ステファン・デ・ミストゥーラ特使とそのチームが直ちに、シリア北西部のアレッポ市における戦闘「凍結」案の実施手順について、作業を開始することを明らかにしました。

-詳しくは以下をご覧ください。

http://www.un.org/press/en/2014/sc11649.doc.htm

 

UNRWA、ヤルムークへの人道援助提供に向け、はるかに多くの取り組みが必要と指摘

1117国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)諮問委員会の会合に臨んだピエール・クレヘンビュール事務局長は、紛争によって、シリア人とパレスチナ難民に引き続き甚大な被害が生じていると発言しました。パレスチナ難民の60%以上が、国内避難民となったり、レバノンやヨルダン、トルコ、エジプトに逃れ、再度難民化したりしています。

ヤルムークのパレスチナ難民キャンプの状況に関し、事務局長は、1万6,000人から1万8,000人の民間人が取り残され、飢えや寒さに苦しみながら、常に恐怖を抱えて暮らしていると述べました。また、UNRWAによるヤルムーク・キャンプへの援助物資の供給が夏以来、大きく落ち込んでいることも指摘しました。「ヤルムークの人々を援助、支援するためには、はるかに多くの取り組みが必要であり、シリア当局に対しても、この点は再三にわたり、はっきりと主張しています」。事務局長はこのように語りました。

-詳しくは以下をご覧ください。

http://www.unrwa.org/newsroom/official-statements/opening-statement-mr-pierre-krähenbühl-commissioner-general-unrwa

 

UNHCRの調査で、レバノンのシリア難民の子ども多数が学校に通えていない実態が明らかに

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は1117、報告書『Barriers to Education for Syrian Refugees in Lebanon(レバノンのシリア難民に対する教育障壁)』を発表しました。この中で、発生からほぼ4年にわたるシリア危機により、100万人を超える難民がレバノンに流入したことで、教育分野を含むレバノンの公共サービスに大きな負担がかかっていることを指摘しました。

この調査によると、レバノンの教育制度と公立学校は、多数の難民の子どもたちに学校の門戸を広く開放していますが、就学年齢児童の急増に対応する能力も資源も欠いています。UNHCRは、シリア人の6歳から14歳までの子ども42万人が教育サービスを必要としているものの、その多くが2年以上も学校に通えていないと見ています。調査結果は学校教育の障壁として、交通費や学校用品の費用、家計を支援する必要性といった金銭的な制約から、学校の収容能力不足、就学に正規の証明書類が必要なこと、カリキュラムの違いといった構造的な理由に至るまで、幅広い要素を挙げています。

-報告書について詳しくは以下をご覧ください。

http://reliefweb.int/report/lebanon/barriers-education-syrian-refugee-children-lebanon-november-2014

 

◆国連調査委員会に対するシリア人被害者の証言で、「イスラム国」の計画的な残虐行為と洗脳の実態が明らかに

シリア・アラブ共和国に関する国連調査委員会1114、最新の報告書『Rule of Terror: Living under ISIS in Syria(恐怖の支配:イスラム国支配下のシリアに暮らす)』を発表しました。報告書は、300人を超える被害者と証人の証言に基づき、この武装集団が支配下にある地域に暮らすシリア人を恐怖によって服従させようとしたり、民間人と捕虜の両方に極度の暴力を働いたりしている衝撃的な事実を明るみに出しています。「その支配下から逃れてきた人々は一様に、住民を恐怖に陥れ、黙らせようとする行為にさらされてきたと証言しています」。調査委員会のパウロ・ピネイロ委員長はこのように語ります。

委員会は報告書で、シリア北東部の「イスラム国」支配地域に暮らす民間人の悲惨な生活の様子を描き出しています。処刑や手足の切断、公共の場所での鞭打ちは、日常茶飯事と化しています。報告書は、ヤジディ教徒の女性と女児に対する「イスラム国」の恐ろしい虐待についても詳しく伝えており、その中には、2014年9月にイラクで拉致された後、シリアに連行され、アルラッカ県各地の市場で性的奴隷として売られている女性もいることが明らかになっています。委員会はその提言のひとつとして、国際刑事裁判所(ICC)を含む国際的な説明責任メカニズムを活用し、「イスラム国」司令官をはじめとする個人につき、戦争犯罪と人道に対する罪の責任を問うよう呼びかけています。

-報告書について詳しくは以下をご覧ください。

http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=15295&LangID=E#sthash.qBo7S6ZC.dpuf

 

国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク:

国連広報局(DPI)シリア特集ページ:

http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146

 

国連の人道関係機関:

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/media/index.html

世界食糧計画(WFP)

http://www.wfp.org/countries/syria

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/crisis/syria

世界保健機関(WHO)

http://www.who.int/countries/syr/en/

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)

http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/

 

ソーシャルメディア:

Twitter: https://twitter.com/UN

Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/

YouTube: http://www.youtube.com/unitednations

Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/

 

フォトギャラリー:

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/photogallery.php

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253

統合地域情報ネットワーク(IRIN)

http://www.irinnews.org/photo/

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国連調査委員会は11月14日、「イスラム国」の計画的な残虐行為と洗脳の実態を明らかにする最新の報告書を発表した。写真は記者会見で質問に応えるパウロ・ピネイロ委員長© UN Photo/Pontus Wallsten
11月19日に開かれた安全保障理事会の公開会合に出席した潘基文(パン・ギムン)事務総長は、外国人テロ戦闘員の脅威と暴力的過激主義の災禍は、単に安全保障上の課題にとどまらず、コミュニティや国家、地域の安定と社会機構も損ないかねないと指摘した©UN Photo/Loey Felipe