シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第70号】11/26付資料
2014年11月28日
国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。
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ウィークリー・アップデート
国連広報局(DPI)第70号/2014年11月26日
◆エイモス事務次長、援助対応でニーズが充足できていないことを指摘
ヴァレリー・エイモス国連人道問題担当事務次長は11月25日、安全保障理事会に対し、人道アクセスに関する決議2165の履行状況に関する報告を行いました。事務次長は、7月の決議採択以来、シリア全土の最も困窮した人々に対する援助提供に前進が見られることを指摘しました。国連は主に国境越えの援助車両により、アレッポ、イドリブ、ダルアー、クネイトゥラ4県の最も立ち入りが困難なコミュニティのほとんどすべてに対し、援助を供給できています。しかし、事務次長は、対応が引き続き不十分であると警告したうえで、「私たちがシリアで援助対象としているすべての人々の人道ニーズは、満たせない状況が続いている」と付け加えました。エイモス事務次長は安全保障理事会に対して、シリアを破壊し、周辺地域を不安定化させている暴力の終焉に向け、本腰で取り組むよう強く促しました。
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は、シリアの人道アクセスに関する安全保障理事会への最新報告で、緊急援助を必要とする人々が依然として1,200万人以上に達していることを明らかにしました。そのうち500万人近くは、決議2165によって追加的なアクセスが認められてからも、依然として立ち入りが困難となっている地域で暮らしています。事務総長は、アレッポ市を手始めに、戦闘停止区域を拡大するというステファン・デ・ミストゥーラ特使による提案には、何よりもまず、全国的に影響力のある特定エリアを出発点として、暴力の戦略的な収束を図るという意図があることも強調しました。事務総長はさらに、この戦闘凍結が、全国民を包摂する政治的プロセスに向けた礎石にもなりうると指摘しました。
-エイモス事務次長による安保理報告は以下をご覧ください。
-事務総長による安保理報告は以下をご覧ください。
http://www.un.org/en/ga/search/view_doc.asp?symbol=S/2014/840
◆UNRWA、パレスチナ難民を取り巻く状況が地域全体で深刻化と指摘
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)報道官は11月24日、国境閉鎖や一連の強制送還により、シリアを逃れたパレスチナ難民の窮状がますます悪化していると警告しました。クリス・グネス報道官は「近隣国が安全保障上の課題に直面する中、パレスチナ難民の庇護に懸命に取り組んでいることは認めるものの、その一方で、シリアを逃れたパレスチナ難民にとって、ヨルダン、レバノン、トルコ、エジプトを含む中東地域各国やヨーロッパで庇護を求めることは困難になっているとの報告も増えてきている」と語っています。報道官はさらに、すでに弱い立場に置かれたパレスチナ人が、この窮状によって、ボートで地中海横断を試みるなど、生命の危険を冒さざるを得ない状況に追い込まれ、しばしば悲劇的な結末が生じていると説明しました。UNRWAは、パレスチナ難民の非自発的送還が中東地域で2014年に106件生じていることを報告する一方で、実際に強制送還された人々の数は、これを超える公算が大きいと述べています。
-詳しくは以下をご覧ください。
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=49429
◆副事務総長、少数者に対する残虐行為の防止に向けた行動を国際社会に呼びかけ
ヤン・エリアソン副事務総長は11月25日、ジュネーブでの第7回国連少数者問題に関する年次フォーラムで発言し、イラクとシリアでキリスト教徒やトルクメン人、ヤジディ教徒その他の少数者が残虐極まりない行為の標的となっているという、悲劇的な現状に触れました。副事務総長は、こうした恐ろしい出来事から教訓を学び、その防止に向けた行動を起こすことが、国際社会の義務であることを強調し、「過ちは決して繰り返さないと口先だけで言い続けることなどできない」と述べました。さらに副事務総長は、国連全体とすべての加盟国が決意を新たにし、全世界で少数者の権利を推進、保護するための取り組みを本格化させねばならないと付け加えたうえで、(2007年に設置された)国連フォーラムが、こうした犯罪の性質、その根本的な原因、さらには、それらに内在する力学に対する理解を助けるうえで果たしうる役割も指摘しました。
-エリアソン副事務総長の発言は以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/dsg/statements/index.asp?nid=579
国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク:
国連広報局(DPI)シリア特集ページ:
http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146
国連の人道関係機関:
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/media/index.html
世界食糧計画(WFP)
http://www.wfp.org/countries/syria
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/crisis/syria
世界保健機関(WHO)
http://www.who.int/countries/syr/en/
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)
http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
ソーシャルメディア:
Twitter: https://twitter.com/UN
Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/
YouTube: http://www.youtube.com/unitednations
Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/
フォトギャラリー:
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
http://www.unrwa.org/photogallery.php
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253
統合地域情報ネットワーク(IRIN)
http://www.irinnews.org/photo/
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