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国連小型武器会合に関する記者会見

プレスリリース 03/063-J 2003年07月09日

 猪口邦子・軍縮会議日本政府代表部大使は7月3日、ニューヨークの国連本部での記者会見において、小型武器問題は多次元的な問題であり、世界的・地域的な調和と各国のイニシアチブを通じて解決すべきだと語りました。

 猪口氏によれば、この問題は兵器の回収・廃棄、能力育成、輸出入規制、不正な仲介の根絶、制度構築、および、各国の異なる状況に対処するための国内的なフォーカルポイントと委員会の設置など、あらゆるテーマ別の側面から取り組まなければなりません。

 記者会見を行った猪口氏は、「小型武器非合法取引のあらゆる側面の防止、対策および根絶のための行動計画実施を検討する第1回隔年国際会合」で議長に指名されています。この会合は7月7日から11日までの1週間、国連本部で開催されています。

 同氏によれば、会合のねらいの一つは、多角的アプローチが極めてうまく機能しうる多様な軍縮分野を明らかにすることにあります。この会合は加盟国にとって、「小型武器非合法取引の防止、対策および根絶のための行動計画」が、2年前の交渉以来、どの程度実施されているかを包括的に査定する初の機会となります。各国は得られた教訓と実施改善のためのベスト・プラクティスについて検討することができるでしょう。

 猪口氏は、紛争関連の死者のうち、毎年50万人(1日1,000人以上)が小型武器で命を落としていることを指摘し、対人地雷による死者が年間2万人に上っていると発言。この問題の深刻さを考えれば、小型武器問題の主流化を図ることが重要だと述べました。

 西部アフリカとアフガニスタンでは、武装解除が明らかに失敗しているとの指摘に対し、猪口氏は、来る会合の内容を前もって判断することはできないとしながらも、会合では、これら2つのケースにおいて、地域的な調和の仕組みがなぜうまく行かなかったのかについて、重点的な話合いが行われるだろうと述べました。

 小型武器による負傷者の数についての質問に対しては、50万人の死者の100倍は下らないとしつつ、正確な統計はないと回答しました。

 小型武器取引の金額に関する質問に対し、猪口氏は、非合法取引が10億ドルに上ると言われていると回答。合法的取引と非合法取引の供給源は同じであることが多いため、非合法取引を根絶するためには、合法的取引を厳しく規制することも必要だとしました。会合では、備蓄管理の不行届きと不正な仲介などの理由で、認可された取引が非合法取引へと逸脱してゆく過程を突き止めることに重点が置かれる予定です。