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第56回DPI / NGO 年次総会
“人間の安全と尊厳:国連における公約の実現に向けて”

プレスリリース 03/072-J 2003年07月30日

2003年9月8日-10日 於:国連ニューヨーク本部
 
 
 来たる9月8日より、国連ニューヨーク本部にて「第56回DPI/NGO年次総会」が開催されます。同年次総会では「人間の安全と尊厳:国連における公約の実現に向けて(Human Security and Dignity: Fulfilling the Promise of the United Nations)」をテーマに話し合いが行われます。
 
 20世紀の最後の10年間で、国際協力に対する確信は急激に高まりました。国連安全保障理事会はこれまでになく固く結束し、世界経済はますます相互依存を強めました。新たな世紀の人間開発に関して意欲的な議題を設けた一連の主要な国連会議は、149の加盟国の元首・首脳による2000年のミレニアム開発目標(MDG)採択に帰着しました。とりわけ極貧などの、世界的な問題に対して真剣に取り組むことを約束したこれらの目標は、国際社会の意思、政策、資源が反映された大きな流れとしては初めてのものです。
 
 今日、新世紀の世界が多国間協調の精神から向きを変えてしまうのではないか、という懸念があります。南北問題、情報格差、文化間の誤解、武力紛争、人種問題に対する無知は依然として深刻な課題です。さらに経済の沈滞、核不拡散の合意に対する信用の低下、強まる単独主導主義、社会・政治制度に対する一般社会の幻滅感といった問題を世界は抱えています。国連とその開発パートナーは、人の手により生じた人道上の問題に対処するために、その乏しい資源をミレニアム開発目標(MDG)達成のための活動から転用せざるを得ません。
 
 伝統的な安全保障の概念は、国家的・軍事的観点からとらえられており、人々というよりは、国家間の関係と結びついています。しかしながら、人間の安全保障委員会の報告が定義するところによると、真の人間の安全保障とは、よりよく生きようと考え、日常生活と未来に尊厳を求める人々の望みから生まれるものです。このようにより広く、人間を中心に据えた視点は、単純でありながらとても力強いものです。人間の基本的欲求を満たし、不可欠な自由を確保することが最低限要求されるのです。
 
 今年の国連広報局主催の第56回DPI/NGO年次総会は、「人間の安全保障と尊厳:国連における公約の実現に向けて」というタイトルで開催されます。すべての人々が安全に暮らすことは達成可能な目標であり、尊厳ある人生を送ることは幻想ではありません。これは、人々が共に力を尽くし、国際的に結束することで達成される現実なのである、ということを市民社会と国連が共に再確認する場となります。今日、地球人口の2割近くにあたる約10億人以上の人々が絶対的貧困の中で暮らしており、彼らにとって、生き残るということは毎日の闘いです。他の多くの人々にとっては、人間の安全保障の崩壊へのプロセスはゆるやかで静かなものであり、国際社会の関心は人道的危機が発生した時に初めて集まってきます。そういった危機は国境を超えて大きな影響力をもち、私達は過去の経験から予防処置をとることの利点を認識しています。
 
 人間の安全保障が、強力な市民社会および機構を創る人々の力によってのみ達成され得るということは、ますます明白になってきています。国連広報局主催のNGO年次総会は普遍的人権という枠組みにおいて人間の安全保障を考え、心理学者、教育者、政策立案者、経済学者、および人間の安全保障を世界中で現実とするための最前線の活動での経験を持つ人々が集まります
 
 本会議では、基本的なニーズや健全な社会と個人の幸福を達成するために求められる心理学的協同作用が議論されます。変化をつくりだす教育の力が探求され、抑圧を克服するために組織された様々な集団の地位を向上させる協調した活動が検討されます。また、環境面で私たちが持つ問題点に対し、持続可能な解決法も提案されます。NGO代表者、国連および政府代表といった多様で活動的なグループが、最近の進展、最良の手法、効果的な協力関係、問題点、そして国際社会と市民社会がこの極めて重要な過程において果たし得る役割について検討します。
 
 
第56回DPI/NGO年次総会に関する内容は
http://www.un.org/dpi/ngosection でご覧いただけます。