シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第72号】12/10付資料
2014年12月12日
国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。
* * * * * * * * * *
ウィークリー・アップデート
国連広報局(DPI)第72号/2014年12月10日
◆デ・ミストゥーラ特使、トルコで戦闘凍結案について協議
ステファン・デ・ミストゥーラ国連シリア担当特使は12月7日、アレッポで戦闘の「凍結」を推進するために継続中の地域協議の一環としてイスタンブールを訪れ、トルコの政府担当者およびシリア反体制派の代表団と協議を行いました。デ・ミストゥーラ特使は、ハディ・バハラ シリア国民連合議長との協議で、この提案を現地でどのように実現できるかについて意見を交換しました。特使は、トルコ外務省のフェリドゥム・シニルリール次官とも個別に会談しました。特使はさらに、南部のガジアンテプ市も訪問し、アレッポの主要な反体制派集団と、この計画について話し合いました。
-詳しくは以下をご覧ください。
http://www.un.org/press/en/2014/db141208.doc.htm
◆国連難民高等弁務官、先進国にシリア難民10万人の再定住に対する支援を呼びかけ
アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官は12月9日、ジュネーブで開かれた閣僚級拠出誓約会議で発言し、先進国に対して、シリアの近隣国に逃れた難民320万人のうち10%の再定住を支援するよう強く促しました。「戦争を逃れ、弱い立場にある人々に庇護を提供することは、難民自身にとって生死に関わる重要性を持っているだけでなく、シリア難民数百万人を受け入れている地域諸国との連帯感を示すという意味でも重要です」。高等弁務官はこのように述べています。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、今後数カ月間で、計10万人のシリア難民の定住が可能になると見ています。その中には、すでに各国政府が提供した6万2,000人分の受入枠も含まれています。グテーレス氏は、膨大な数の難民を受け入れているシリア近隣諸国に深い謝意を示しつつ、人道ビザや家族呼寄せプログラムによってシリア人の入国を認めるなど、従来の再定住以外のオプションを提供している国にも感謝の言葉を述べました。
-詳しくはUNHCRのプレスリリースをご覧ください。
http://www.unhcr.org/548737926.html
◆WFP、シリア難民170万人分の食料援助引換券の配給を再開
国連世界食糧計画(WFP)は12月9日、ソーシャルメディア・キャンペーンで8,800万ドルを超える寄付金が集まったことを受け、受入国でのシリア難民に対する食料援助の配給を再開すると発表しました。
12月1日にハッシュタグ#ADollarALifelineを用いてスタートしたこのキャンペーンに対しては、一般市民、民間企業、援助国から大きな支援が寄せられました。「これだけの短期間にこれほど巨額の支援が得られたのは、今回が初めてです」。アーサリン・カズンWFP事務局長はこう語り、次のように付け加えました。「私たちは特に、すべてを失ったシリア難民をできる限り支援しようと、ポケットマネーから募金をしていただいた個人の一般市民の方々に感謝しています。これらの人々は、たった1ドルでも世界が変えられることを立証したのです」
このキャンペーンの結果、レバノン、トルコ、ヨルダン、イラク、さらにはエジプトのシリア難民は再び、電子式食料援助引換券を受け取り、現地の商店で食料を買えるようになります。
WFPの募金ページはhttp://www.wfp.org/ForSyrianRefugeesで開設中です。一般市民の方々は引き続き、シリア避難民に対するWFPの救命援助に寄付を行うことができます。
-食料援助引換券の配給の再開については、以下をご覧ください。
◆事務総長、サウジアラビア国王による1億ドルの寄付に感謝
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は12月10日、声明を発表し、二聖モスクの守護者たるサウジアラビアのアブドッラー・ビン・アブドルアジーズ・アール・サウード国王による、国連世界食糧計画(WFP)への1億400万米ドルの寄付に対し、深い感謝の意を表明しました。事務総長は、シリア、南スーダン、ソマリアを逃れた難民に対する国連の食料援助が、財政支援の不足によって中断の危機に瀕している重大な時期において、この寄付が、これら数百万の難民への援助提供に大きく役立つことを指摘しました。
-詳しくは以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/statements/index.asp?nid=8264
◆UNHCR、35万人に達した海路による庇護希望者の救命を要求
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は12月11日、国際社会に対し、大きな危険を冒しながら、海路で入国しようとする亡命・移住希望者の急増への対処に各国が混乱をきたす中で、これらの人々の命を救うことに対する関心が薄れてきていると警告しました。
UNHCRによると、今年1月以来、世界で35万人近くが亡命先やよりよい機会を求め、海路で入国を試みていますが、これによって命を失った人々は少なくとも4,000人に達しています。2014年には、難民流出国(主としてシリアとエリトリア)の人々が初めて、こうした庇護希望者の多くを占めるようになっており、その割合は全体の50%近くに上っています。グテーレス難民高等弁務官は、船上の人々の保護をさらに確保するためには、斬新な考え方が必要であることを強調しました。「私たちは、人々がなぜ流出しているのか、より安全な手段で庇護を希望できないのはなぜか、こうした人々を餌食にしている犯罪ネットワークを取り締まるためには何ができるのか、といった問題を考えながら、被害者の保護に取り組まなければなりません」。高等弁務官はこのように指摘しています。
-詳しくはUNHCRのプレスリリースをご覧ください。
http://www.unhcr.org/54882c149.html
国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク:
国連広報局(DPI)シリア特集ページ:
http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146
国連の人道関係機関:
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/media/index.html
世界食糧計画(WFP)
http://www.wfp.org/countries/syria
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/crisis/syria
世界保健機関(WHO)
http://www.who.int/countries/syr/en/
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)
http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
ソーシャルメディア:
Twitter: https://twitter.com/UN
Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/
YouTube: http://www.youtube.com/unitednations
Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/
フォトギャラリー:
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
http://www.unrwa.org/photogallery.php
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253
統合地域情報ネットワーク(IRIN)
http://www.irinnews.org/photo/
* *** *