国連人権委員会の強制的・非自発的失踪に関する作業部会、第69会期を終了
プレスリリース 03/036-J 2003年04月30日
国連人権委員会の強制的・非自発的失踪に関する作業部会(Working Group on Enforced or Involuntary Disappearances)は4月25日、第69会期を終了しました。作業部会は今会期中、30を超える国々に関係する申し立てを審議しました。
4月22日から25日にかけて開催された第69会期において、作業部会は関係政府、非政府組織および行方不明者の家族の代表を招致し、個別の案件および強制的失踪という現象に関する意見交換を行いました。作業部会は審議にあたり、日本政府代表、ならびに、1977年から1983年にかけて日本、スペインおよび英国で朝鮮民主主義人民共和国の工作員によって拉致されたと見られる日本人行方不明者の親族から意見聴取を行いました。これらの行方不明者は、朝鮮民主主義人民共和国の領内に抑留されているものと見られています。
作業部会はアフガニスタン、アルジェリア、アルゼンチン、ブラジル、チリ、中国、コロンビア、朝鮮民主主義人民共和国、エジプト、フランス、グアテマラ、ホンジュラス、インド、インドネシア、イラン・イスラム共和国、日本、メキシコ、モロッコ、ミャンマー、ネパール、パレスチナ自治政府、ロシア連邦、スペイン、スリランカ、サウジアラビア、シリア、タイ、チュニジア、ウクライナ、英国、ウルグアイ、米国、ウズベキスタンおよびイエメンにおける強制的・非自発的失踪事件に関し、政府および非政府関係者から得た情報を審議しました。
作業部会の次会期は、2003年8月11日から15日にかけて行われる予定です。作業部会は次会期において、アルジェリア、アルゼンチン、エルサルバドルおよびペルーの政府を招致することになっています。これらの国々は未解決案件が多く、また、作業部会に対する定期的な連絡も怠っているからです。これら未解決案件は1,000件を超えています。16,384件の未解決案件を抱えるイラクは、政権が空白状態にある現状から、このリストには含まれていません。作業部会は今会期において、これらの案件についてイラクとどのように連絡を取るべきか、また同国から新たな申し立てがあった場合、これをどう処理すべきかに関し、国連法務部に法的な意見の提示を要請することを決定しました。
第69回作業部会はまた、2003年6月11日から18日にかけて予定されているイラン訪問の準備を完了しました。この訪問は、作業部会議長のディエゴ・ガルシア=サヤン氏と作業部会専門家メンバーのスティーブン・トゥープ氏が行うことになっています。