シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第82号】2/18付資料
2015年02月20日
国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。
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ウィークリー・アップデート
国連広報局(DPI)第82号/2015年2月18日
◆国連特使、シリアによるアレッポの戦闘「凍結」の意向表明に「かすかな望み」
ステファン・デ・ミストゥーラ・シリア担当事務総長特使は2月17日、安全保障理事会への報告後、記者団に対し、アレッポでの戦闘「凍結」案に「かすかな望み」が見えてきたことを明らかにしました。デ・ミストゥーラ特使は「シリア政府が私に対し、ダマスカスで私たちが発表する期日から6週間、アレッポ市に対する砲撃と空爆を停止する意向を示した」と述べるとともに、特使室が反体制派にも働きかけ、同様の回答が得られることを期待していると付け加えました。特使は、政治的解決を探りながら、民間人の保護を図ることが第一の義務であることを強調しました。「私たちは、カイロとモスクワ[での協議]で生まれた政治的プロセスを継続するとともに、これに国連の取り組みを積み重ねていきます」。デ・ミストゥーラ特使は、このように説明しました。
-詳しくは以下をご覧ください。
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsId=50114
-デ・ミストゥーラ特使によるプレス・ブリーフィング(動画)は以下をご覧ください。
◆UNICEF、シリア情勢に関する2014年報告書を発表
国連児童基金(UNICEF)は、2月15日に発表されたシリアに関する年次報告で、シリアの子ども約2,500万人にポリオの予防接種を施したことを明らかにしました。この報告書によると、UNICEFは、シリア国内の1,650万人が利用する水道施設を改修し、地域の難民キャンプに安全な飲み水を提供したほか、2014/15年度「再び学ぼう(Back to Learning)」キャンペーンの一環として、284万2,636人の児童に学校用品を支給しました。シリア国内30万人と近隣国64万5,000人の子どもには、心理社会的支援も提供されています。UNCEFはさらに、シリア国内の子ども40万人に衣服と毛布を配給するとともに、地域各国の子ども56万5,000人に現金や商品引換券、越冬用品を提供しました。
-UNICEFの年次報告者は以下からダウンロードできます。
-報告書のハイライトはこちら。
http://reliefweb.int/report/syrian-arab-republic/syria-crisis-2014-annual-situation-report
◆安全保障理事会、ISILの資金源を断つ決議を採択
国連安全保障理事会は2月12日、国連憲章第7章に基づき、イラクおよびレバントのイスラム国(ISIL)とヌスラ戦線(ANF)の資金源を断つ措置を承認し、これら集団から石油を調達している者を非難し、イラクとシリアで略奪された古文化財の取引を全面的に禁止するとともに、各国に身代金の支払いを止めるよう呼びかける決議を全会一致で採択しました。
国連教育科学文化機関(UNESCO)事務局長は、「イラクとシリアにおける文化遺産の保護強化に向けた画期的な出来事」として、決議の採択を歓迎し、次のように付け加えました。「シリアとイラクの文化遺産の保護には、戦略的な意味合いがあります。それは、イラクとシリアの全国民のアイデンティティと社会的一体性の基盤であると同時に、将来の和解と復興に向けた前提条件でもあるからです」
-詳しくは以下をご覧ください。
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=50067
-UNESCO事務局長の声明は以下をご覧ください。
-安保理決議は以下をご覧ください。
http://www.un.org/en/ga/search/view_doc.asp?symbol=S/RES/2199%20(2015)
◆国連、国際デーに寄せ、紛争下での子ども兵士の徴用中止を要求
国連児童基金(UNICEF)と、子どもと武力紛争担当事務総長特別代表は、2月12日の「子ども兵士の使用に反対する国際デー」にあたり、共同プレスリリースを発表し、子どもに対する暴力の終焉に向けた緊急行動を求めました。「UNICEFと特別代表室は、武装集団による子供の徴用と利用を含め、子どもに対する深刻な暴力を終わらせるための緊急行動を求めます。紛争当事者は、その国際法に基づく義務を果たさなければなりません」。プレスリリースは、このように述べています。全世界の20カ国以上で、少年と少女数万人が軍隊や武装集団と関係を持っています。その中には、イラクとシリアの子どもたちも含まれていますが、プレスリリースはこの両国につき、次のように付け加えています。「ISILの台頭と武装集団の乱立で、子どもたちはさらに徴用されやすくなっています。12歳の子どもまでが軍事訓練を受け、通信兵や哨戒兵、検問所要員、さらには戦略拠点の防衛要員として用いられています。子どもが自爆テロ犯や処刑執行者として使われる例さえ見られます」
-詳しくは以下をご覧ください。
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=50065
https://childrenandarmedconflict.un.org/press-release/children-at-risk-of-recruitment/
◆UNRWA、ネイラブに食料援助を配給、フセイニーヤの被害を検証
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、アレッポの南東13kmの地点にあるネイラブ・キャンプのパレスチナ難民2万2,000人に食料援助を届けました。このキャンプの難民は、2013年中に立ち入りができなくなったことにより、深刻な苦難と欠乏状態に晒されていました。
配給された食料と必需品は、国連人道問題調整事務所(OCHA)が運営する緊急対応基金(ERF)から、UNRWAに提供されたものです。UNRWAは2月9日、武力衝突による施設への被害を検証するために、ダマスカスの南東12kmの地点にあるフセイニーヤ・キャンプにも立ち入りました。修繕が必要な施設は、学校や医療センターをはじめ、社会福祉事務所、女性プログラム・センター、青少年センター、配給センター、電気・水道・衛生設備のほか、被災した多くの民家など、多岐に及んでいます。
-詳しくは以下をご覧ください。
http://www.unrwa.org/galleries/photos/unrwa-returns-assess-damage-husseiniyeh
国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク:
国連広報局(DPI)シリア特集ページ:
http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146
国連の人道関係機関:
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/media/index.html
世界食糧計画(WFP)
http://www.wfp.org/countries/syria
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/crisis/syria
世界保健機関(WHO)
http://www.who.int/countries/syr/en/
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)
http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
ソーシャルメディア:
Twitter: https://twitter.com/UN
Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/
YouTube: http://www.youtube.com/unitednations
Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/
フォトギャラリー:
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
http://www.unrwa.org/photogallery.php
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253
統合地域情報ネットワーク(IRIN)
http://www.irinnews.org/photo/
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