第56回国連総会(2001年9月11日開会)」
総会議長、韓昇洙(ハン・スンス)博士・略歴
プレスリリース 01/67-J 2001年09月07日
今年3月から韓国の外交通商長官を務める韓昇洙(ハン・スンス)博士は、1988年の初当選以来、同国の国会議員でもある。ハン博士は多くの分野で公務を歴任している。1996年から1997年にかけ、同氏は副首相兼財務経済長官を務め、1994年から1995年には、韓国大統領の主席秘書官の職にもあった。同氏はまた、1988年から1990年にかけ、貿易産業長官も務めている。1993年から1994年にかけ、ハン博士は韓国の国連大使を務めたほか、列国議会同盟(IPU)韓国グループ理事会の議長ともなった。
副首相および財務経済長官として、ハン博士は韓国の経済政策立案者の長であった。同氏は1996年の韓国の経済協力開発機構(OECD)加盟に向けた交渉を主に担当した長官である。21世紀の韓国経済においてベンチャー・ビジネスが果たすと見られる重要な役割を見越し、同氏はインセンティブとなる自社株購入制度の法制、および、ハイテク銘柄主体のKOSDAQ株式市場を発足させ、これを積極的に推進した。
大統領主席秘書官時代、ハン博士は国内政策のあらゆる分野で改革プログラムの実効的な遂行に際し、大統領を援助した。同国で地方選挙が行われ、35年ぶりに地方自治が回復されたのもこの時期だった。この時期にはまた、朝鮮民主主義人民共和国に対する初の経済援助がコメの形で提供された。
韓国の駐米大使時代を通じ、ハン氏は1993年春のいわゆる核の危機を含め、朝鮮民主主義人民共和国の核問題解決に大きく関わった。
貿易産業長官として、同氏は米国とのスーパー301条交渉に重要な役割を果たし、韓国と米国その他の国々との新たな通商関係への道を切り開くことに貢献した。1989年に同氏が発案者の一人となったアジア太平洋経済協力会議(APEC)は毎年、アジア太平洋諸国の間で開かれるフォーラムであり、地域内の経済協力を促進する方法が討議されている。同氏が発案した1993年の大田(テジョン)万博は、完全な先進工業国でない国で開かれたはじめての万国博覧会であった。同氏は1989年、中小・中堅企業の技術的基盤の拡大をねらいとして、韓国工業技術院(KAITEC)を創設した。
1987年から1988年にかけ、ハン博士は韓国貿易委員会の初代議長を務めたほか、いずれも1980年代に財務省が設置した税制改革委員会、銀行改革委員会および関税改革委員会のメンバーともなった。同氏は1983年から1984年まで、韓国国際経済協会の会長を務めた。政府に加わる以前、同氏は韓国銀行(後の財務長官在職期間に通貨審議会の議長に就任)、韓国輸出入銀行、韓国工業銀行、韓国商工会議所、韓国工業連合会および韓国国際貿易協会など、いくつかの官民組織で顧問を務めている。同氏はまた、世界銀行および国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)のコンサルタントとしての経験も有する。同氏は1974年から1976年まで、世界銀行から財務顧問としてヨルダン政府に派遣された。
1988年に出身地の江原道(カンウォンドウ)春川(チュンチョン)から国会議員に選ばれる以前も、ハン博士は長く優秀な学歴を有していた。同氏は1970年から1988年まで、ソウル国立大学の経済学教授を務めた。1965年から1968年にかけてはヨーク大学で経済学の教鞭を執ったほか、1968年から1970年にかけてはケンブリッジ大学およびケンブリッジのエマニュエル・カレッジの応用経済学部に所属した。1985年から1986年にかけてはハーバード大学の経済学部でフルブライト上級研究員を務め、1986年から1987年までは東京大学教養学部の客員教授となっていた。
延世大学とソウル国立大学で学んだ同氏は、1968年に英国のヨーク大学で経済学博士号を取得し、1997年には同大学の名誉博士号を授与された。1971年には博士論文「欧州予算の成長と機能」により、第6回欧州共同体賞を受賞した。
同氏は現在、ソウルの延世大学付属国際研究大学院の名誉客員教授および英国ヨーク大学の名誉教授である。同氏は韓英協会会長、将来のための韓英フォーラム会長およびソウル国立大学行政大学院同窓会会長も務めている。同氏はまた、王立経済学会、韓国経済協会、国際公共財政研究所、ソウル国際問題フォーラム、韓国外交協議会、韓国将来研究学会、韓国行政協会およびブレトンウッズ・クラブなど、いくつかの専門家からなる協会のメンバーでもある。
同氏の著作としては『国家の健康(The Health of Nations)』(Seoul Computer Press, 1985)、『英国と共同市場(Britain and the Common Market)』(Cambridge University Press, 1971)(共著)、『英国とEECの税制-ハーモナイゼーション問題(Taxes in Britain and the EEC: The Problem of Harmonization)』(PPE and Chatham House, 1968)(共著)および『欧州予算の成長と機能(The Growth and Function of the European Budget)』(Yusong Publishing Co., 1971)があげられる。これら刊行物に加え、同氏は韓国語と英語の両方で多くの専門書および論説を著している。
ハン博士は「公務メリット勲位(1級、ブルー・ストライプス)」、「産業メリット勲位(ブロンズ・タワー)」および「国家安全保障メリット勲位(チョンス・メダル)」を授与されている。また、同氏は1997年、「コロンビア・ロースクール/パーカー・スクール国際殊勲賞」の初の受賞者となった。
同氏は登山、バドゥック・ゲームおよび自叙伝と伝記の収集を趣味とする。
ハン氏は既婚で、子ども2人。