グローバルな努力の拡充
プレスリリース 01/39-J-C 2001年05月08日
コフィー・アナン国連事務総長
「HIV/エイズ:行動の呼びかけ」
HIV/エイズ、結核、およびその他
関連の感染症に関するアフリカ・サミット
2001年4月24‐27日、アブジャ(ナイジェリア)
HIV/エイズに関する国連事務総長の行動要求は、この病気と戦うこれまでのさまざまな活動、特に「アフリカのエイズ対策国際パートナーシップ」の活動をいっそう拡充するものである。この行動要求は、エイズと戦っている国連機関、特に国連エイズ合同計画(UNAIDS)とその支援諸機関の重要なグローバルな活動をよりよく調整し、さらに強化することを求めている。
アフリカのエイズ対策国際パートナーシップ
今や、アフリカのエイズ危機がいかに壊滅的な規模と多方面への影響をもっているか、世界の人々が認識している。特別の対応が必要であることも理解されている。そして、アフリカ諸国には、この病気に対して断固たる行動を取るというこれまでよりもはるかに強い決意が生まれている。
1999年7月、アルジェのアフリカ統一機構(OAU)の閣僚会議は、「アフリカのエイズ対策国際パートナーシップ」(IPAA)を支持するという決議を採択した。3ヵ月後、UNAIDS事務局長とOAU事務総長が、アフリカのエイズ対策について協力と協調を促進する公式の合意書に署名した。
IPAAは、アフリカのHIV/エイズと戦う5つの構成メンバー、すなわちアフリカ各国政府、国連、二国間協定に基づく資金提供者、民間部門、およびコミュニティの連合体ということができる。IPAAのアプローチは、関連するすべての人々の貢献を拡大するとともに、アフリカ各国政府に明確なリーダーシップを与えている。
アフリカの各国元首は、この病気と戦うためにはグローバルな協力戦線が必要であるという認識に立ち、IPAAの活動を実施するに当たってUNAIDSと協力するようOAU事務総長に要請した。そして、この対応が、国際的な努力を拡大する大きな機会となったのである。
国連事務総長は、最初にこの認識を明らかにした人の1人である。1999年12月、アナン事務総長は、5つのIPAA構成メンバーの代表を集め、エイズの容易ならざる事態に見合った大々的な対応をするよう代表たちに求めた。これによって、IPAAは国連の強い後押しを得ることになった。事務総長は次のように語っている。
「今回、ここに、包括的な対策を確立するために力を合わせるべきすべてのパートナーが初めて顔を揃えました。驚いたことに、エイズとの戦いの中で、アフリカ各国政府が、国連、経済協力開発機構(OECD)の援助国、民間部門や各種の財団、国際的な市民社会のメンバーと同じ席についたのは初めてです。今こそ、旗振りや境界の設定や縄張り争いに終始せずに、国のレベルでの政策において、そして世界的な戦略の策定において、真に足並みの揃った協力を推進する機会です。」
それから15ヵ月という短期間に、国のレベルで、地域のレベルで、そして国際的なレベルで、多くのことが成し遂げられてきた。現在、IPAAの活動は、政治的な指導力の結集、国の戦略的な計画の策定と実行、コミュニティのエンパワーメント、資源の整理、資金の調達と債務帳消し計画の確立、医療活動と協力の仕組みへのアクセスの確保など、多岐にわたっている。(詳しくはwww.unaids.orgを参照のこと)
国連のエイズ対策
1996年、国連は、協力活動および各々の分野での活動を行っている主な国連機関の力を結集するために、6つの機関、すなわち国連児童基金(UNICEF)、国連開発計画(UNDP)、国連人口基金(UNFPA)、国連教育科学文化機関(UNESCO)、世界保健機関(WHO)、世界銀行により、共同出資プログラム、国連合同エイズ計画(UNAIDS)を発足させた。その後、1999年、これに国連薬物統制計画(UNDCP)が加わった。
UNAIDSを構成するこれらの機関がHIV/エイズを各々の活動の中心に据える努力を進めてきたため、エイズは、現在、各組織の優先課題の1つになっている。UNAIDSの共同責任機関とUNAIDS事務局は、全体での共同予算と業務計画を確立してきたのに加え、国連システム全体のHIV/エイズ対策戦略計画の策定を進めている。また、国連食糧農業機関(FAO)、国際労働機関(ILO)、国連人権高等弁務官事務所(UNHCHR)、国連婦人開発基金(UNIFEM)、世界食糧計画(WFP)をはじめ、他の国連機関との協力も拡大している。
(国連の各機関によるAIDS対策への貢献については、www.un.org/ga/aidsに掲載された、HIV/エイズに関する国連特別総会の事務総長報告書に記されている。)
各国レベルでのエイズ対策を支援する国連の主な手段は、UNAIDS共同責任機関や他の機関、二国間協定に基づく資金提供者、NGO、ホスト国の代表で構成されるHIV/エイズに関する国連テーマグループによって提供されている。テーマグループは、国連の各国駐在調整官システムを通して--国内の優先事項および各国政府の要請に従いながら--共同計画の策定と企画、監視、資源調達の面で協力し、それぞれの国のHIV/エイズ対策を強化することによって、この病気を抑制する各国の努力を支援している。