シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第88号】4/6付資料
2015年04月06日
国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。
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ウィークリー・アップデート
国連広報局(DPI)第88号/2015年4月6日
◆シリア人道支援会合、ドナーが38億ドルの支援を誓約
クウェートで開催された第3回シリア人道支援会合の冒頭で、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は、シリアの現状を私たちの時代が抱える最悪の人道危機であると述べました。「シリア人の5人に4人が貧困と窮乏、略奪の中で生きています。シリアは人間開発の約40年分を失いました」。事務総長はこのように述べ、紛争を終結させるための政治的解決を繰り返し訴えました。「人々を苦しめているこの危機に終止符を打つために、何が最も人道的な解決策なのかはっきり分かっています。政治的な解決を見出さなくてはなりません」。「今こそジュネーブ・コミュニケを基礎とし、シリアの人々が主導する政治的移行を包括的に進める時です。それがシリアの人々の願いに応えるやり方です」と付け加えました。
会議後に行われた国連機関代表による記者会見の席上、事務総長は今回の会議で世界のドナーから38億ドルの支援の誓約があったと発表しました。「国際社会は一致してシリアの人々、そして、何百万ものシリアからの避難民を受け入れ、重い負担に耐えている近隣国の人々と連帯しています」。ヴァレリー・エイモス人道問題担当国連事務次長は、この資金は人道支援機関が何百万もの人々の命を支える食料、水、避難所、医療サービスなど緊急に必要とする救援物資を提供するために使われることになると付け加えました。
-シリア人道支援会合での事務総長の開会の辞は以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/statements/index.asp?nid=8505
-記者会見の詳細は以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/offthecuff/index.asp?nid=3903
-OCHAプレスリリースは以下をご覧ください。
◆事務総長 戦闘終結に向けた断固とした行動の欠如に失望を表明
潘事務総長は3月28日、エジプトのシャルム・エル・シェイクで開催されたアラブ連盟理事会で演説し、シリアについて次のように述べました。「シリアの政府、過激派、テロリスト集団が容赦なく国土を破壊するのを見るにつけ怒りを覚え、国際社会や地域社会が殺りくを止めるために断固とした行動を取ることができていないことに、その一員として恥じ入ります」。事務総長はステファン・デ・ミストゥーラ シリア担当事務総長特使に対し、ジュネーブ・コミュニケを実行するため、シリアの関係者を含めた地域全体に加え安全保障理事会メンバー国にも幅広く意見を求め、政治的な取り組みを強化するよう指示したと述べました。
-アラブ連盟理事会での事務総長の演説は以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/statements/index.asp?nid=8500
◆UNRWA ヤルムーク難民キャンプでの戦闘終結を呼びかけ
国連の副報道官は本部での記者ブリーフィングにおいて、ヤルムーク難民キャンプの状況について記者からの質問に応え、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、パレスチナ難民キャンプでのシリアとパレスチナの市民の安全と保護について強く懸念していると述べました。同キャンプでは4月1日の昼過ぎ以降、地域の武装集団間で激しい武力衝突が報告されています。「公の情報源の信頼すべき情報によれば、多数の子どもを含め約18,000人の市民が居住するヤルムークで、多くの武装集団が激しい交戦状態に入っており、大勢の人々が、死や重傷、トラウマや立ち退きといった極度な危険にさらされています」。副報道官はこのように述べ、UNRWAは引き続き状況を注意深く監視するとともに、すべての関係者がその義務に従い、ヤルムーク市民の安全を確保するよう最も強い言葉で求めていると述べました。さらに、「UNRWA は戦闘を終結し、職員がヤルムーク市民を支援・協力することができるような状況に戻すよう求めています」と副報道官は強調しました。
◆国連人道調整官 イドリブの戦闘継続に懸念を表明
ヤコブ・エルヒロ 国連シリア担当人道調整官は、シリア北西部のイドリブ市で戦闘が激化していることを受け、深刻な懸念を表明。すべての関係者に対し、市民を守る義務を忠実に果たすよう要請しました。人道調整官は3月27日の記者声明で政府と非政府武装集団の間の戦闘はおびただしい数の死傷者と約3万人もの避難民を生み出していると述べました。「激しい戦闘が続けば、国連とパートナーは、大規模な難民が近隣行政区域、さらには国境を越えてトルコに押し寄せる可能性があると懸念しています」と警告しました。
-人道調整官の記者声明は以下をご覧ください。
-さらに詳しくは以下をご覧ください。
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=50471#.VRwlpuHgW3Y
◆国連シリア調査委員会、1年間の延長
人権理事会は3月27日に決議を採択し、シリア・アラブ共和国に関する独立国際調査委員会のマンデートを1年間延長するとともに、シリア当局に対し、委員会が直ちにシリア国内へ自由に立ち入る許可を与えるなど、十分な協力を求めました。人権理事会は、また、テロリスト集団だけでなく、政府軍や傘下の民兵や非政府武装集団も行っている誘拐や人質行為、隔離拘禁、拷問、性的暴力、市民の残虐な殺害、即決処刑などの行為を強く非難し、そのような行動は人道に対する罪に等しいと強調しました。
-人権理事会のプレスリリースは以下をご覧ください。
http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=15768&LangID=E#sthash.nrrcwSxX.dpuf
国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク:
国連広報局(DPI)シリア特集ページ:
http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146
国連の人道関係機関:
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/media/index.html
世界食糧計画(WFP)
http://www.wfp.org/countries/syria
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/crisis/syria
世界保健機関(WHO)
http://www.who.int/countries/syr/en/
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)
http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
ソーシャルメディア:
Twitter: https://twitter.com/UN
Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/
YouTube: http://www.youtube.com/unitednations
Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/
フォトギャラリー:
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
http://www.unrwa.org/photogallery.php
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253
統合地域情報ネットワーク(IRIN)
http://www.irinnews.org/photo/
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