シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第89号】4/8付資料
2015年04月15日
国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。
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ウィークリー・アップデート
国連広報局(DPI)第89号/2015年4月8日
◆UNRWA事務局長 ヤルムーク難民キャンプが絶望的状況と警告
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のピエール・クレヘンビュール事務局長は4月6日、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長に対し、急激に激しさを増した戦闘を受け、ヤルムーク・キャンプに閉ざされた難民が非常に切迫した状況にあるとの最新報告を行いました。事務局長は、国連本部の記者団に対しヨルダンからビデオ・リンクで説明し、ヤルムーク・キャンプ内の市民はこれまでで最も絶望的な状況にあると警告しました。18,000人を超す市民が2年以上包囲された形となっているキャンプは、4月1日以降、激しい戦場と化しており、人々が脱出することは事実上困難な状況にあると述べました。事務局長は、さらに、同日行われた安全保障理事会に対するブリーフィングの中で、この緊急事態を注視するよう呼びかけるとともに、紛争当事者に向け市民を危険にさらすすべての活動を停止し、人道支援のアクセスを認めるよう強く求めていると述べました。事態のさらなる悪化を受け、この耐えがたい状況に対する取り組みが人道的、政治的な観点から求められています。「今こそ国際社会が協力、連携し、ヤルムークで起きていることに影響を与える時です」と事務局長は述べました。
-詳しくは UN News Centre 記事をご覧ください。
◆UNRWA 戦闘継続に極めて強い危機感、ヤルムーク市民の安全と保護を訴え
UNRWAは、4月7日、ヤルムーク・キャンプ内で武装闘争が絶え間なく続いていると報告。UNRWA の報道官は、4月1日の戦闘勃発以来、キャンプ内で人道支援物資の配布が不可能になっていると述べました。報道官はさらに、止むことのない戦闘によってヤルムークに封じ込められた市民が想像を絶する苦しみを被り続けることに、大きな危機感を募らせていると述べ、すべての武装集団に対して市民の保護を確約し、人道支援を認めるよう求めました。
-UNRWA報道官の報告は以下をご覧ください。
http://reliefweb.int/report/syrian-arab-republic/latest-distribution-updates-yarmouk-7-april-2015
◆安全保障理事会 ヤルムークへの人道支援確保を要請
安全保障理事会の4月の議長国を務めるヨルダンのディナ・カワール国連大使は、6日の会合後、安保理メンバー国はヤルムーク難民キャンプの深刻な事態に深い懸念を表明したと記者団に語りました。メンバー国はダーイシュ(ISIL)とアル・ヌスラ戦線がキャンプに閉じ込められた18,000人の市民に対し行っている重大な犯罪を最も強い言葉で非難しました。理事会の15カ国はキャンプ内の市民の保護と人命救助活動の提供など人道支援を認めるよう呼びかけるとともに、市民の安全な移動と避難を確保するよう求めました。「理事会は必要な保護と支援を提供するに当たり、可能な措置をさらに検討することになる」と大使は述べました。
-カワール国連大使による記者ブリーフィングは以下をご覧ください。
◆国連 和平交渉の再開を支持-国連報道官
国連報道官は、モスクワで4月6日に始まったシリア和平協議に関する記者団の質問に応え、シリア問題担当事務総長特使室の代表が交渉に参加していると述べました。「国連は和平交渉の再開に向けたいかなる取り組みも歓迎する」と報道官は述べました。
-詳しくは以下をご覧ください。
http://www.un.org/press/en/2015/db150407
◆シリア人ジャーナリスト、UNESCO世界報道自由賞を受賞
国連教育科学文化機関(UNESCO)は4月3日、 シリア人ジャーナリストで人権活動家のマーゼン・ダルウィッシュ氏が2015年UNESCO ギョレモ・カノ世界報道自由賞を受賞したと発表しました。
ダルウィッシュ氏は法律家で報道の自由の擁護者ですが、現在拘禁されています。氏は2004年に設立された「Syrian Centre for Media and Freedom of Expression(メディアと表現の自由のためのシリアセンター)」の代表を務め、オンラインサイト「Voice newspaper and syriaview.net」の創設者の一人です。このサイトは独立系のニュースサイトでシリア当局に閲覧が禁止されています。2012年2月に他の2人のジャーナリストとともに逮捕されて以来、ダルウィッシュ氏の拘束が続いています。賞は5月3日にラトビアのリガで開催される世界報道の自由デー記念式典の中で授与されます。
-詳しくはUNESCOプレスリリースをご覧ください。
国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク:
国連広報局(DPI)シリア特集ページ:
http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146
国連の人道関係機関:
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/media/index.html
世界食糧計画(WFP)
http://www.wfp.org/countries/syria
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/crisis/syria
世界保健機関(WHO)
http://www.who.int/countries/syr/en/
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)
http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
ソーシャルメディア:
Twitter: https://twitter.com/UN
Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/
YouTube: http://www.youtube.com/unitednations
Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/
フォトギャラリー:
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
http://www.unrwa.org/photogallery.php
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253
統合地域情報ネットワーク(IRIN)
http://www.irinnews.org/photo/
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