シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第90号】4/15付資料
2015年04月21日
国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。
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ウィークリー・アップデート
国連広報局(DPI)第90号/2015年4月15日
◆UNRWA事務局長 ヤルムークの困窮する市民への支援増を呼びかけ
ヤルムーク・キャンプ内に包囲された多数のパレスチナ難民とシリア人避難民の安全への憂慮が深まるなか、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のピエール・クレヘンビュール事務局長は3日間のシリア視察に赴きました。事務局長は、UNRWAが人道支援を提供しているヤルムーク東部タダムン地区の公立学校にいる避難民を訪問し、キャンプ内に閉じ込められ困窮している多数の市民に敬意を払うよう、あらゆる方面に強く呼びかけました。また、シリア全土のパレスチナ難民に対する支援をあらためて明言し、「逆境の中でパレスチナ難民の方々が示された尊厳に深く感動しました。この最も危機的なときにあって、UNRWAはこれまで以上にパレスチナ難民を支援していきます」と述べました。訪問最終日の4月14日、事務局長はシリアのファイサル・ミクダド外務副大臣と会談し、ヤルムークにいる市民への援助物資配布の再開や、一時的にキャンプを離れることを希望する人々の安全な退去の確保、人道的対応の拡大について話し合いました。
シリア当局との協議の後、UNRWAは4月14日、避難民を受け入れているヤルムークの隣接地区ヤルダへの2回目の配給ミッション送り出し、1,000世帯に人道支援を提供することができたと発表しました。UNRWAは引き続き、ヤルムークにいる3,500人の子どもを含むパレスチナおよびシリアの市民約18,000人の安全と保護について深く憂慮しています。
-UNRWA事務局長のヤルムーク訪問について詳しくは以下をご覧ください。
-News Centre 記事は以下をご覧ください。
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=50555#.VSwEZpPgW3Y
-ヤルムークに関するアップデートはこちらをご覧ください。
http://www.unrwa.org/newsroom/emergency-reports/yarmouk-situation-update-14
◆国連特使 シリア和平協議の新ラウンドを開始
国連報道官は4月14日、ステファン・デ・ミストゥーラ シリア担当事務総長特使が5月にシリア側関係者および地域と国際社会の関係国と、ジュネーブ・コミュニケを実行に移すための一連の詳細な個別協議を開催すると発表しました。報道官によれば、招待状はまだ出されていません。それまでの間、デ・ミストゥーラ特使とラムジー・エゼルエディン・ラムジー副特使が、協議の性質について各関係者と調整を行っています。特使は来週の安全保障理事会でブリーフィングを行う予定です。
-News Centre 記事は以下をご覧ください。
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=50579#.VS54M5PgW3
-ジュネーブ・コミュニケについては詳しくは以下をご覧ください。
http://www.un.org/News/dh/infocus/Syria/FinalCommuniqueActionGroupforSyria.pdf
◆UNICEF輸送部隊 シリア北東部に人道援助物資を届ける
シリアでは援助物資の運び入れが非常に難しい状況になっていますが、国連児童基金(UNICEF)は、待ち望まれていた人道援助物資を積んだ43台のトラック部隊が4月14日にシリア北東部のカーミシュリーに到着したと発表しました。この物資により、230万人の人々を支援できるとみられています。UNICEFによれば、シリア全土で約560万人の子どもが早急な援助を必要としており、うち200万人以上がアクセスが困難な地域に居住し、人道支援を受ける機会が限られていたり、まったく受けられない状況にあります。
-詳しくは以下をご覧ください。
-News Centre 記事は以下をご覧ください。
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=50577#.VS5515PgW3Y
◆国連難民高等弁務官「シリア難民の窮状緩和のため、更なる対応が必要」
アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官は4月15日、レバノン南部ガジエ市近郊にある居住区の厳しい環境で暮らしているシリア難民を訪問しました。後日、高等弁務官は、この訪問によりシリア難民だけでなく、難民を受け入れているレバノンの政府と地域社会にも多大な支援が必要であることが明らかになったと述べました。
レバノンは120万人近くのシリア難民を受け入れており、これはレバノンの総人口のおよそ4分の1に当たります。高等弁務官は、先月クウェートでの会議で援助国が約束した38億米ドルの支援を歓迎しつつ、惨事の規模の大きさから更なる対応が必要だと力説しました。「シリアの人々があのような悲惨な状況の中で暮らし続けることを私たちは受け入れられないし、レバノンやヨルダンのような国々が自国の経済や安定を脅かすあれほど大きな難題に直面していることも受け入れられない」と高等弁務官は述べました。
-UNHCRプレスリリースは以下をご覧ください。
http://reliefweb.int/report/lebanon/unhcr-chief-meets-struggling-syrian-refugees-lebanon
国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク:
国連広報局(DPI)シリア特集ページ:
http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146
国連の人道関係機関:
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/media/index.html
世界食糧計画(WFP)
http://www.wfp.org/countries/syria
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/crisis/syria
世界保健機関(WHO)
http://www.who.int/countries/syr/en/
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)
http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
ソーシャルメディア:
Twitter: https://twitter.com/UN
Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/
YouTube: http://www.youtube.com/unitednations
Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/
フォトギャラリー:
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
http://www.unrwa.org/photogallery.php
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253
統合地域情報ネットワーク(IRIN)
http://www.irinnews.org/photo/
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