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総会、安保理新理事国5カ国を選出

1998年10月08日

  国連総会は1998年10月8日、安全保障理事会の非常任理事国にアルゼンチン、カナダ、マレーシア、ナミビアおよびオランダを選出した。新理事国の任期は1999年1月1日から2年間。これらの5カ国はいずれも、第1回目の投票で3分の2の多数を獲得し、決定した。

 今回の投票は、非常任理事国であるコスタリカ、日本、ケニア、ポルトガルおよびスウェーデンの任期が12月31日で満了するのを受けて行われたもの。規定により、非常任理事国の2期連続の再選は禁じられている。選出される5カ国の地理的配分は、アフリカ・アジアから2カ国、ラテンアメリカ・カリブから1カ国、西欧その他から2カ国となっていた。

  残りの非常任理事国5カ国(バーレーン、ブラジル、ガボン、ガンビアおよびスロベニア)の任期は、1年後の1999年12月31日に満了する。

 投票に先立ち、ディディエル・オペルティ総会議長(ウルグアイ)は、慣行にしたがい、アフリカ・アジア地域から選出される2カ国のうち、1カ国をアフリカ、1カ国をアジアからそれぞれ選ぶべきであることを指摘した。
 議長は、アフリカ・アジア地域から選ぶべき2カ国について、2カ国(マレーシアおよびナミビア)の立候補に対する支持の報告がなされていると述べた。またラテンアメリカ・カリブ地域からの選出国についてはアルゼンチンの立候補が、西欧その他地域からの選出国2カ国についてはカナダ、ギリシアおよびオランダの3カ国がそれぞれ立候補していた。
 議長は総会に対して、手続規則にしたがい、理事国は指名されることはなく、また理事国の選出は秘密投票で行われ、出席かつ投票する加盟国の3分の2の多数票を得た候補国が、理事国に選出されることを指摘した。

  モーゼス・M.ドラミニ氏(スワジランド)も投票に先立ち、自国の代表団に代わり、多難な任務に着手することになる安保理の新理事国に対し、神が英知を与え給わんことを祈ると述べ、新理事国に安保理の任務を慎重に遂行するよう求めた。
 しかし同氏は、安保理が決して総会の上位に位置するものではないとしたうえで、安保理は総会への説明責任を負い、かつ、非理事国に対しても、活動の透明性を確保すべきであると述べた。同氏によれば、安保理の討議は公にされるべきであるが、安保理会合の多くは、一般に「非公開非公式協議」と呼ばれる「鉄のカーテン」の向こう側で行われており、スワジランド代表団はこれを遺憾としている。安保理で扱う問題は重要であり、誰もがその見解を明らかにする資格を持っている。通常は、非公開協議に続き、誰もが参加できる公開会合を開くべきである。また非公式協議の慣行は廃止すべきである。誰もがその投票権を行使すべきであり、安保理は、上位機構である総会の意見に耳を傾けるべきである。

 1999年1月1日から任期2年で選出された、安保理の非常任理事国5カ国の選挙の投票結果は、以下のとおりである。

 

アフリカ・アジア地域選出国
「投票数」 投票総数、176票。無効投票数、0票。
有効投票数、176票。棄権、0。
投票加盟国、176カ国。
必要得票数、118票。
「得票数」 マレーシア、174票。ナミビア、167票。
フィリピン、1票。セネガル、1票。ジンバブエ、1票。
   
ラテンアメリカ・カリブ地域選出国
「投票数」 投票総数、176票。無効投票数、0票。
有効投票数、176票。棄権、4。
投票加盟国、172カ国。
必要得票数、115票。
「得票数」 アルゼンチン、171票。チリ、1票。
   
西欧その他地域選出国
「投票数」 投票総数、176票。無効投票数、0票。
有効投票数、176票。棄権、1。
投票加盟国、175カ国。
必要得票数、117票。
「得票数」 カナダ、131票。ギリシア、87票。
オランダ、122票。

 

 この結果、3分の2の多数を獲得したアルゼンチン、カナダ、マレーシア、ナミビアおよびオランダが、1999年1月1日から2年間の任期で、安保理理事国に選出された。