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福島原発事故:深刻なレベル続くも多少の前進、とIAEA

2011年03月23日

国際原子力機関(IAEA)のグラハム・アンドリュー特別顧問(科学技術問題担当)は本日、ウィーン本部で記者ブリーフィングし、福島第一原子力発電所をめぐる危機事態について、現在、多少の改善がみられることを指摘したうえで、全体としては依然、深刻な状況が続いているとの認識を示した。

アンドリュー特別顧問は、福島原発施設付近で高い濃度の放射能が検出され、4号機の燃料プールの使用済み燃料棒の状態が引き続き最も懸念されるとの旨を述べた。また、1号機から3号機についても、特に2号機が懸念される状態であること、また、1号機の核容器、1、3、4号機の燃料プールなどの関連情報がまだ十分に提供されておらず、正確な状況把握ができていないことを指摘した。

また、5号機、6号機については状況が好転しており、5号機については電源が復旧し、5号、6号の両機の圧力容器の圧力はすでに減少、冷却水が注入されるなどしていると留意した。

なお、同特別顧問によれば、IAEAのモニタリングチームはすでに同原発周辺35キロから68キロ圏内の地点で追加的な計測を行ったほか、近いうちに、2つのチームによるモニタリングがそれぞれ福島、東京及び周辺地域で本格始動する予定。

一方、食物の放射能汚染状況については、特にほうれんそうに高い放射能汚染濃度が福島南部の5都市37か所で検出されている。このことは、4つの県で一部の食物が許容基準値を超えていることを示唆する、とアンドリュー特別顧問は指摘した。

日本においては、世界食糧計画(WFP)が、日本政府による救済物資配送の支援を開始。同計画の専門家たちがここの救済物資を津波被災地の人々に迅速に届けるべく支援を提供し、救済物資を蓄える可動式倉庫の配送の手配を行っている。

(参照ホームページ)
UN News Centre http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=37856&Cr=japan&Cr1=
IAEA News Centre http://www.iaea.org/newscenter/news/tsunamiupdate01.html