-東日本大震災-国連の取り組み(6月24日現在)
2011年06月30日
2011年3月11日午後2時46分、三陸沖を震源に発生したマグニチュード(M)9.0の大地震と津波は、東北地方を中心に広範囲にわたって甚大な被害をもたらしました。災害発生からこれまでの国連の動きを、写真とともに振り返ります。(6月24日現在)
3月11日から4月20日までの動きについてはこちらをご覧ください。
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6月20-24日
東京電力福島第一原発の事故を教訓に、原子力安全に関するIAEA閣僚会議がウィーン本部で開催。初日の20日、グローバルな原子力の安全対策強化を呼びかける閣僚宣言が採択された。宣言はIAEA事務局長に対し、原子力の安全性、緊急時への備えと対応、人と環境の放射線防護などに関する行動計画案を作成するよう要請した。
-閣僚宣言(英文)はこちら
-閣僚宣言の日本語訳はこちら(経済産業省ウェブサイトより)
天野行弥IAEA事務局長の冒頭演説、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長からのメッセージに続く全体会合では、閣僚や各国代表団によるステートメントが発表され、日本から出席した海江田万里経済産業大臣は「事故の経験と教訓を国際社会と共有していく」と述べた。
-天野事務局長の冒頭演説(英文)はこちら
-潘事務総長のメッセージ(英文)はこちら
-海江田経済産業大臣の演説(日本語)はこちら (外務省ウェブサイトより)
全体会合に続いて行われた作業部会では、各国の原発専門家らが次の3つのテーマで協議を行った。①事故の初期評価、②緊急時への備えと対応を強化する対策、③原子力の安全性に関するグローバルな枠組みづくり。
-3つの作業部会での協議を取りまとめた議長の要旨(英文)はこちら
6月1日
国際原子力機関(IAEA)の調査団が東京電力福島第一原子力発電所の事故調査に関する暫定報告を日本政府に提出。この中で調査団は、事故対応に献身的に取り組む現場の作業員を称賛すると共に、日本政府の避難地域への対応が組織化されていると評価した。一方、津波の危険性については過小評価されていたとし、原発の設計者や運営者は全ての自然災害へのリスク評価を正しく行う必要があると指摘。また、原子力規制機関の独立性と役割の明確化が求められるとした。
暫定報告(英文)はこちら
最終的な報告書は、6月20-24日にウィーンのIAEA本部で開かれる原子力の安全性に関するハイレベル会議に提出される予定。
5月27日
IAEAの調査団が地震による津波被害を受けた東京電力福島第一原子力発電所を視察。調査団は日本での原子力事故の教訓を見極め、原子力の安全性に関する国際基準の強化に向けて、来日し調査を行っている。調査団は福島第一原発の吉田昌郎発電所長に面会して被害の説明を受けると共に、6基の原子炉を有する同原発を視察した。
調査団を率いるマイク・ウェイトマン英原子力規制機関長は、「第一原発の視察は非常に貴重な体験だ。極めて困難な状況の下で献身的に働く作業員たちの姿に、調査団一行は感銘を受けた」と述べた。
5月26日
国際原子力機関(IAEA)の調査団が、原発事故の教訓を明らかにし、グローバルな原子力の安全性を高めるため、現地視察を実施。茨城県東海村の東海第二原発、および福島第二原発の二カ所を訪れた。
5月25日
国際原子力機関(IAEA)の調査団が、東京で関係者からの聞き取り調査を実施。原子力安全・保安院(NISA)との3時間に及ぶ技術会議に加え、松本剛明外相、枝野幸男官房長官、高木義明文科相と個別に協議を行った。
5月24日
IAEAの調査団が来日し、海江田万里経済産業相と面会。12カ国からの地震や津波の専門家を含む18人で構成され、6月2日まで滞在。福島原発の現地視察や関係者からの聞き取りを通して被害状況を把握し、6月20日にIAEAウィーン本部で始まる原子力の安全性に関するハイレベル会議に向けて概要をまとめる。
調査団を率いるマイク・ウェイトマン英原子力規制機関長は、「原子力の安全性を最大限にするためには、教訓を学び、常に改善を重ねることが必要だ。日本での調査という機会を生かし、日本の経験から世界はどのような教訓を得ることができるか、情報収集に努めたい」と語った。
5月20日
潘事務総長はIAEA、CTBTO、WMO、国連食糧農業機関(FAO)、国連国際防災戦略(UNISDR)、UNDP、国連環境計画(UNEP)、WFP、世界保健機関(WHO)の代表らとテレビ会議を行い、福島原発事故をめぐる検証報告を、国連諸機関が横断的に作成するよう指示。報告書は環境、健康、食料安全保障から核セキュリティーまで包括的な分野を扱う。国連総会開催中の9月22日に行われる核の安全性と安全保障に関するハイレベル会合で発表される。
5月17日
IAEAが声明を発表し、福島第一原発の安全を評価すべく、5月24日から6月2日まで、日本に調査団を派遣する意向を発表した。調査の結果は6月20日に始まる原子力の安全性に関するハイレベル会議に報告される予定。
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