特別講座「ミニ模擬国連」を開催しました
2011年06月15日
国連広報センターは6月8日(水)、8月に仁川(インチョン、韓国)で行われるグローバル模擬国連(GMUN)への参加を希望する学生を対象に、特別講座「ミニ模擬国連」を開催しました。
会場の国連大学本部ビルには、約40人が集まりました。このほか、関西学院大学と大阪大学の学生約20人もSkypeを利用して参加しました。
講座は午後5時にスタートし、はじめに国連広報センターの山下真理所長が英語で挨拶しました。山下所長は、2009年GMUNでの潘基文事務総長の演説を引用し、模擬国連の意義を次のように語りました。
「模擬」と訳されている英語「モデル(model)」には、多くの意味があります。模擬国連という文脈では、この語は一般的に「縮小コピー」という意味で理解されています。しかし、私としてはもう一つの意味である「模範」という見地から、この言葉を捉えたいと思います。…若者の理想主義を批判するばかりか、これを取り去ろうとさえする人も大勢います。しかし、私は、この理想こそが皆さんの力だと考えます。理想がなければ、よりよい世界を描き、実現してゆくことは、はるかに難しくなってしまうでしょう。
模擬国連は単なるまねごとではありません。世界人口の半数は25歳未満です。皆さんはその代表なのです。どうぞ、”model” という言葉が持つ二つの意味を考えてください。想像力、勇気、コンセンサス、妥協を駆使して、解決策を模索してください。皆さんが、模擬国連を通して複雑な国際関係の一端を知り、国連が掲げる理想を実現する「模範」となることを願っています。
山下所長の挨拶に続いて、3つの講義が約3時間にわたり行われました。
まず、模擬国連の普及に取り組むグローバル・クラスルーム日本委員会の理事長、杉村詠史さんが「模擬国連の基礎知識」と題して講演しました。参加者の大半は模擬国連の経験がないことから、模擬国連とは何か、具体的に何をするのか、などの基本的な事柄を分かりやすく説明しました。杉村さんは、模擬国連のポイントについて「できるだけ多くの国が納得できる形で、議題に対する解決策をまとめること」だと述べました。
次に国連広報センターの千葉潔職員が、「模擬国連とリサーチ」のテーマで、資料収集について説明しました。前半では、国連文書全般の基礎知識や、インターネットを利用した検索方法を解説。後半では、参加者が7月に体験するミニ模擬国連のテーマ「持続可能な開発:自然と調和した人間の進歩」にフォーカスし、各国の立場の違いを知るための関連文書などを詳しく紹介しました。
最後の講義では、2010年度日本模擬国連代表の杉江賢さんが、2010年GMUNの体験を報告しました。杉江さんは、現地で撮影した写真をスライドに写しながら、GMUNの会議の流れや、各国の参加者との楽しい交流の様子を紹介しました。「みなさんと模擬国連の和を広げていきたい」と呼びかけ、会場の雰囲気が盛り上がりました。
すべての講義が終った後、7月8日のミニ模擬国連の担当国が発表されました。続いて、当日の総会議長を務める日本模擬国連の長川美里さん(GMUN Japan2011団長)が、政策ペーパーや決議案作成の課題を出しました。長川さんは、質問や情報を共有する場としてメーリングリストを立ち上げるとしたうえで、「日本模擬国連のメンバーがみなさんを全面的にサポートします」と述べました。参加者はさっそく担当国のグループにわかれ、自己紹介をしたり今後の予定を調整したりしました。
特別講座の参加者は、7月のミニ模擬国連に参加することでGMUN(仁川)への応募要件をクリアし、国連広報局を通じて各自でGMUNに出願することが可能になります。
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