ソマリア「飢餓宣言」から2カ月。事態はさらに悪化しています。
2011年09月16日
国連が、アフリカの東部にあるソマリア南部の2地域に「飢餓宣言」を出してから2カ月。飢餓はさらに拡大しています。
これまでに飢餓状態にあるとされた地域はソマリアの6地域にのぼり、アフリカの角(ジプチ、エチオピア、ケニア、ソマリア)全体で1,330万人以上の人々が援助を必要としている深刻な状況です。
-アフリカ東部の地図はこちらをご覧下さい。
国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、ソマリアにおいては、この8カ月間で、援助を必要とする人は240万人から400万人に増え、「状況は悪化している」としています。干ばつ、食料価格の高騰、そして20年にも及ぶ内戦が飢餓を拡大させたのです。
もっとも影響を受けているのは、子どもたちです。何万人もの人々の命が失われ、その半数は5歳未満の子どもです。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、エチオピア南東部の難民キャンプに避難した121,000人のうちの80%が18歳以下でした。男性は、キャンプまでの道中に武装グループに徴兵されることを恐れ、また家財を守ろうとして村に残るため、女性と子どもたちだけでキャンプへ避難しているとみられます。家族はばらばらになり、孤児もいます。
また、国連児童基金(UNICEF)によると、ソマリア南部では6人に1人の子どもが重度の栄養失調で、緊急に助けなければほんの数週間で亡くなってしまう状態にあります。ただ、きちんと手当さえ受ければ、すぐに回復し得るのです。
潘基文(パン・ギムン)事務総長は2011年9月9日、緊急の援助に加え、長期的な支援の必要性を訴えました。
「環境、遊牧から成り立つ経済生活、人口増加、公正な開発費の使用、良い統治、依存を防ぐ必要性、こういったことを考慮して、回復力と耐性を高めていく必要があります」
干ばつに耐えうる経済生活が成り立つよう、リスクを軽減するための長期的な支援も必要とされているのです。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、8月末までに、ソマリア南部の220,000人に食料を届けました。9月末までには、さらに180,000人に届けることを目指しています。
アフリカの角の飢餓に対して必要とされる資金は25億ドル。しかし、現在集まっているのはその63%ほどの15億6千万ドルで、まだ10億ドルもの援助金が不足しています。
10月まで雨は降らないとの予測で、この先、まだ干ばつは続くと思われます。緊急な援助がなされなければ、さらに事態が悪化する恐れがあります。
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