貧困撲滅のために、今こそクリーンエネルギー革命を
2011年09月26日
「Sustainable Energy for All」。すべての人に持続可能なエネルギーを―。 国連は2011年9月20日、貧困、疾病をなくすための新たな取り組みを発表しました。
世界では、約14億人が電力を利用できず、さらに10億人が電力供給の不安定な状態で生活しているとされます。30億近い人々が、石炭や伝統的なバイオマスエネルギー(薪や動物の糞などの自然エネルギー)などの固形燃料に頼っている状況なのです。
「エネルギーは人類の発展に欠かせないものです。健康、教育、雇用の創出、経済競争力、すべてにエネルギーが必要不可欠です」。潘基文(パン・ギムン)事務総長はエネルギーの必要性、さらには持続可能であることの重要性を訴えました。
「すべての人がエネルギーを利用できること、そして、すべての人がクリーンで持続可能なエネルギーを確保し、気候変動によるリスクを最小限にすることが必要です。つまり、いま必要なのはクリーンエネルギー革命なのです」。そして2012年を「Sustainable Energy for All(すべての人に持続可能なエネルギーを)」の国際年とし、世界がこの問題に取り組む歴史的なチャンスとなると述べました。
また、世界中のビジネス界のリーダー、政府、市民から成るハイレベルグループの設立も発表しました。
この取り組みにより、近代的なエネルギーをすべての人が利用できるようにすること、また2030年までに、世界のエネルギー効率、再生可能なエネルギーの使用率を倍増させることを目標としています。各国は、官民協同で目標達成に向け努力することが求められます。
最終的な目標は、政策、企業活動、財務決定、そして日常生活において、持続可能性を実践することです。
企業の取り組みについては、国連が世界の主要企業と共に進める「国連グローバル・コンパクト」の枠組みが、持続可能な企業活動の実現に生かされます。
グローバル・コンパクトは、各企業がリーダーシップを発揮し、持続可能な成長を実現するための世界的な枠組み作りに参加する取り組みで、日本では130社を超える企業が「グローバル・コンパクト・ジャパン・ネットワーク」に加盟しています。これらの企業は、人権保護、不当な労働の排除、環境への対応、賄賂などの腐敗防止の基本原則に賛同し、その実現に向けて努力をしています。
企業は、その主要事業、社内業務、社会貢献のための投資・支援、そして政府との連携により、持続可能な活動を国連と協働していきます。
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