山下所長の国連だより(5月)
2012年05月15日
このコラムでは、国連の発信する様々なメッセージをわかりやすくお伝えしていきます。皆さまに、国連をより身近に感じていただければと願っています。
国連でも世界でも、「家族」は大切! (2012年5月)
5月15日は「国際家族デー」です。1994年から毎年記念されているのですが、今年のテーマは「仕事と家庭の両立」。
背景には、世界中で女性や母親の労働人口が増加し、共働きの家族が増える一方で、子育て、高齢者、障害者の介護、あるいは成人した子どもも主に経済的な理由から同居せざるを得ない状況も増えているという傾向があります。数世代にわたって扶養すべき家族を抱え働く親たちへの負担が増えているのです。特にアジア地域では、勤務時間が比較的長く、仕事と家族へのケアとのバランスを維持するのが難しくなっています。
家族に優しい社会を築き、維持するためには、男女を問わず育児休業制度を充実させ、家庭内での「男女共同参画」、仕事場でのフレックスタイム導入、保育制度の充実などが勧められています。家族と生活のバランスを意識した環境を整えることによって、私たち一人ひとりの健康や生産性にもプラスに影響しているという統計も出ているそうです。
私自身、働く母親の一人ですが、国連の制度のもとで、4カ月の育児休暇(有給)を取りました。無給休暇を1年取るママたちもいますし、男性にも1カ月の育児休暇が保障されています。仕事に100%復帰するのも当たり前。子どもが小さかった頃はさらに、導入されたばかりのフレックスタイム制度も活用しました。もちろん、こうした環境が整っているからこそ、政情不安な国での仕事や、不規則な勤務体制にも前向きに取り組めるといえます。幸い、夫は育児や家事に積極的に参加してくれていますし、11歳になった息子も少しずつ家事のお手伝いを始めています。「家族からはじまる小さなデモクラシー」、我が家でも奮闘中です。
【これまでのメッセージ】