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2015年、国連は二酸化炭素換算で温室効果ガス200万トンを排出: 最新の「Greening the Blue」報告書で明らかに

2016年11月07日

国連本部ビルの正面に並ぶ加盟国の国旗©UN Photo/JC McIlwaine

2016年11月7日 – 国連は、自らの温室効果ガス排出量に関する最新の報告書で、二酸化炭素(CO2)換算で2015年に200万トンの排出を行ったこと、および、国連システムで計28の主体が、いずれも2020年までに気候ニュートラルを達成する約束を果たすため、環境パフォーマンスの改善に向けて組織的なアプローチを採用していることを明らかにしました。

きょう発表された報告書の序言で、潘基文(パン・ギムン)事務総長は「私は事務総長としての任期満了を間近に控え、“Greening the Blue(環境に優しい国連)”の実現を目指す国連職員の熱意により『有言実行』が大きく前進したことを心強く感じています」と述べています。

事務総長は、国連という職場で気候ニュートラルと持続可能性に対する職員の認識が高まる中で、世界環境デーやアース・アワーといった取り組みにも一貫した支持が見られることも歓迎しました。

2007年の「Climate Neutral UN Strategy(国連気候ニュートラル化戦略)」により、国連のすべての機関、基金、計画は、気候ニュートラルの実現に向けた前進を約束するとともに、それぞれの温室効果ガス排出量を推計し、2020年までにこれを削減、相殺するための取り組みに着手するよう要求されていますが、今回の報告書には、その進展に関する重要な最新情報が含まれています。

今年は、全世界で66の国連主体と28万4,482人の職員が報告の対象とされています。2008年以来、排出量を報告する機関の数は38%、排出目録でカバーされる職員の数は37%、それぞれ増加しています。

温室効果ガス排出量/廃棄物管理
出典:UNEP

データによると、温室効果ガス排出量の46%は施設からのものであり、次いで飛行機での出張が40%、他の交通手段を使った出張が14%を占めています。このデータにより、全世界の国連の主体と事務所は、その環境に対する影響を管理できるようになっています。

国連は炭素クレジットのシステムも利用しているほか、報告書には初めて、廃棄物の発生量と管理に関する詳しい情報も掲載されています。炭素クレジットによる相殺は、報告された温室効果ガス排出量の32%に上っており、これによって32の国連機関が昨年、炭素ニュートラルを達成しました。2015年の1人当たり廃棄物発生量は547キログラムでした。

炭素ニュートラルの確保、すなわち「グリーン化」を目指し、ブルーの旗とブルー・ヘルメットを着用する平和維持要員によって象徴される国連は、総力を挙げて温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいます。2015年には、国連システムの計28諸機関が、環境マネジメントシステムや持続可能性戦略、または排出量削減戦略の形で、その環境パフォーマンス改善に向けた組織的なアプローチを採用していると報告しています。これらの諸機関は全体で、国連による温室効果ガス排出量の80%を占めています。

報告書は「温室効果ガス(GHG)プロトコル」に基づく国際的に広く認められたガイドラインを用いて、排出量を計算しています。この計算方法は世界資源研究所や、持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)も利用しています。計算の対象範囲には、職員の出張や建物の冷暖房など、該当する組織の直接の財務管理下にある全活動による排出量が含まれます。

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原文(English)はこちらをご覧ください。