事務総長、広島原爆の日に核軍縮への取り組み強化を訴え
2017年08月09日
2017年8月6日 – 地球上に約1万5,000発の核兵器が存在することを受け、アントニオ・グテーレス国連事務総長はきょう、すべての国に対し、核兵器のない世界という共有の目標を目指し、取り組みを強化するよう訴えました。
「核兵器のない世界は、残念ながら、いまだ現実から遠いところにあります。」グテーレス事務総長は1945年のきょう、原爆の投下を受けた広島で行われた平和式典において、中満泉・軍縮担当上級代表が代読したメッセージを通じ、このように述べました。
グテーレス事務総長は「核兵器を保有する国々は、核軍縮にむけて具体的なステップを踏む特別な責任を有しています」と強調し、今も存在する約1万5,000発の核兵器と、その使用に関する危険な論調に対して警告を発しました。
事務総長はそのうえで、72年前の悲劇的な出来事から「強靭さと復興への多くの夢と希望」を土台に復興を遂げた都市として、全世界が広島に注目していることを指摘しました。「広島の皆様の平和への強い決意は、世界にとってのインスピレーションでもあるのです」グテーレス事務総長はこのように述べています。
事務総長は明るい話題として、2017年の大きな動き、特に先月、国連加盟国が核兵器禁止条約を採択したことに触れました。
事務総長はこの成果が、核兵器の使用はどんなことがあっても許されないことを強調する全世界的なキャンペーンから生まれたことを指摘しつつ、広島からの平和のメッセージと、被爆者による英雄的な奮闘が非常に貴重な貢献となったことを認めました。
核兵器が人道面で及ぼす壊滅的な結末を、被爆者が世界に思い起こさせたと述べたうえで、事務総長は核兵器のない世界の実現に向けたグローバルな取り組みに対する国連の支持を表明しました。
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