2017年11月14日 – 世界保健機関(WHO)は「世界糖尿病デー(11月14日)」にあたり、女性が特に低所得国において、投薬や定期的なスクリーニング、生活習慣の改善で予防したり、遅らせたりできるはずの糖尿病にかかりやすくなっていることを明らかにしました。
WHOのクリスチャン・リントマイヤー報道官は「全世界で約2億500万人の女性(全世界の女性の約8%)が、糖尿病にかかっていますが、その半数以上は西太平洋と東南アジア地域に暮らしています」と語っています。
糖尿病は全世界で、失明、腎不全、心臓まひや発作、下肢切断の大きな原因となっています。2015年の時点で、糖尿病は160万人の直接の死因となっているほか、毎年200万人が高血糖により死亡しています。
しかも、血糖値は妊娠時に大幅に上昇するため、母子の健康がともに大きなリスクにさらされるほか、子どもが将来的に糖尿病にかかるおそれも大きくなります。
しかし、比較的安価な血糖値検査で早期の診断を行い、単に生活習慣を改善するだけでも、糖尿病を予防したり、その発症を遅らせたり、これを治療したりする効果を上げることができます。
今年の世界糖尿病デーは、糖尿病にかかっているか、そのおそれがあるすべての女性が、糖尿病を予防またはできるだけ軽減し、2型糖尿病を予防する能力を高めるために必要な必須の医薬品やテクノロジー、自己管理教育や情報を安価かつ公平に得られるようにすることを求めています。
2型糖尿病は、体内でインスリンを効率的に使えないことによる病気で、全世界の糖尿病患者の大半が、この2型に分類されます。その原因は肥満と運動不足にあることが多いため、砂糖と飽和脂肪の摂取を避けるなど、健康的な食生活を心がけ、たばこを止め、ほぼ毎日30分以上の規則的な中程度の運動をして運動不足を解消することで、予防が可能です。
最近まで、この2型糖尿病にかかるのは成人だけでしたが、現在では子どもの症例も増えてきています。
糖尿病の種類としてはその他、1型糖尿病(以前はインスリン依存性糖尿病、若年性糖尿病または小児期発症糖尿病と呼ばれていたもの)、妊娠性糖尿病(妊娠期に生じる高血糖症で、血糖値が通常より高いものの、糖尿病と診断されるまでには至らないもの)のほか、耐糖能異常(IGT)や空腹時血糖障害(IFG)(境界型糖尿病)が挙げられます。
WHOによると、IGTやIFGは、2型糖尿病へと進行するリスクが高くなっていますが、これは避けられないことではありません。
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