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第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)
「アフリカ成長の世紀」に向けた枠組みを確立

プレスリリース 08-033-J 2008年06月03日

横浜、2008年5月30日:40カ国の首脳を含むアフリカ51カ国の代表は、第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)で福田康夫首相とともに「アフリカ成長の世紀」に向けた青写真を完成させました。横浜で開催中の首脳会議はきょう、3日間の日程を終えて閉幕します。

「アフリカはこの先、世界の成長にとって力強いエンジンとなるでありましょう」福田首相は開会式の演説でこのように述べ、アフリカ開発のための一連のイニシアティブを発表しました。その中には、2015年のミレニアム開発目標(MDGs)達成に向けた前進を支援するため、今後5年間で日本の政府開発援助(ODA)を倍増させることが盛り込まれています。

「アフリカの成長が勢いを増していくため何より重要なのは、インフラの充実です」。福田首相はこう述べた上で、「特に交通インフラを整備することが民間投資を呼び込むには非常に大切だということを、日本やアジアの経験は教えてくれています」と付け加えました。また、アフリカ諸国によるインフラ、農業などの部門の発展を支援するため、最大40億米ドルの円借款を供与すること、および、国際協力銀行(JBIC)への「アフリカ投資倍増支援基金」設置を含め、25億ドルの金融支援を行うことも約束しました。

会議では、TICADステークホルダー間でアフリカ開発を進めていくための原則を示す「横浜宣言」のほか、数値目標を伴う行動指向的取り組みのロードマップを定めた「横浜行動計画」と「TICADフォローアップ・メカニズム」も採択されました。行動計画とフォローアップ・メカニズムは、特に斬新な取り組みとして歓迎されています。

「元気なアフリカを目指して:希望と機会の大陸」をテーマとするTICAD IVは、1) 経済成長の加速化、2) MDGsの達成と平和の定着・民主化を含む人間の安全保障の確立、3) 環境・気候変動問題への対応の3つを重点項目としています。

「今回の会議のテーマは、多くのアフリカ諸国が達成した目覚ましい成果を実によく表しています」と語るのは、ケマル・デルビシュ国連開発計画(UNDP)総裁です。「全体的な経済の発展という点で見ると、サハラ以南アフリカの年平均経済成長率は2004年以来5%を超えており、2007年には世界平均を1ポイント上回る6%に達しました」

アシャ=ローズ・ミギロ国連副事務総長は「アフリカ各国政府とその開発パートナーが協調して取り組めば、MDGsという、よりよい世界の実現を目指す目標を達成することができます」と発言。世界的な食料価格高騰の影響を和らげるため、アフリカ全体の農業部門に対する支援を強化するよう国際社会とアフリカ各国政府に呼びかけるとともに、横浜宣言とMDGアフリカ運営グループによる提言を早急に実施に移すよう求めました。

ロバート・B・ゼーリック世界銀行総裁は、次のように述べています。「アフリカに関する世界銀行の目標は単純明快です。ここ数年で中国、インドその他の国々が先進国を補完する成長の中心となったように、今後15年で、つまり皆様がリーダーを務めているこの世代の間に、アフリカは世界成長の新たな中心になれると私は信じています」

アフリカ連合(AU)の議長国を務めるタンザニアのジャカヤ・キクウェテ大統領は、TICADのプロセスを通じ、日本が対アフリカ民間投資の促進にさらに取り組んでほしいとの希望を表明。アフリカは地球温暖化の原因と最も無縁であるにもかかわらず、不当に大きな影響を受けているとも指摘しました。「私たちは、京都議定書に続く実際的なメカニズムについて、世界の幅広いコンセンサスを取り付けようとする日本のリーダーシップに敬意を表するとともに、日本が気候変動対策基金として100億米ドル規模の『クールアース・パートナーシップ』を創設したことに拍手を送ります」。キクウェテ大統領はこう付け加えた上で、この資金の一定割合をアフリカに配分するよう日本に要請しました。

福田首相は、1993年のTICAD創設以来、アフリカによる開発の「オーナーシップ」と、開発に向けた国際社会との「パートナーシップ」という2つの原則が、TICADプロセスの指針となってきたことを強調。1億米ドル相当の緊急食糧支援パッケージのうち「相当部分」をアフリカに向け、食料価格急騰による影響の緩和に役立てるとともに、現状1,400万トンのコメの年間生産量を今後10年間で倍増させることで、アフリカの「緑の革命」を推進していくと述べました。

日本は今後「エイズ、結核およびマラリア対策のためのグローバル基金」に5億6,000万ドルを拠出予定ですが、そのうち約60%がアフリカに向けられます。また、この分野での深刻な人材不足に対処するため、今後5年間で10万人の医療従事者を育成します。

TICAD IVには国際・地域機関、民間企業および市民団体の最高責任者や代表74人と有識者を含む3,000人以上が参加し、議論を大いに盛り上げました。また会議には、G8その他の先進国やアジアの国々をはじめとするパートナー諸国34カ国からも、閣僚級参加者を含むハイレベル代表が出席しました。

日本は2008年7月7日から9日にかけて開催予定のG8洞爺湖サミットで、TICAD IVの成果を取り上げます。日本の首相が議長を務める今回のサミットでは、世界の経済大国の首脳がアフリカの優先課題について話し合うことになります。

日本はTICAD IVと並行して、第1回「野口英世アフリカ賞」の授賞式を行い、医学研究部門でブライアン・グリーンウッド氏、医療活動部門でミリアム・K・ウェレ氏がそれぞれ1億円(約100万米ドル)の賞金を受け取りました。この賞は、ガーナで黄熱病の研究中に亡くなった日本の著名な医学者、野口英世博士の没後80周年を記念し、2006年に創設されたものです。

TICADは1993年、アフリカの指導者と開発パートナーとのハイレベル政策対話の場として、東京で発足しました。このプロセスは1998年のTICAD IIと2003年のTICAD IIIへと受け継がれ、アフリカ開発への取り組みを促進する重要なグローバル枠組みへと発展しています。

さらに詳しくは、下記にお問い合わせください。

Nicholas Gouede (共催機関窓口担当)
TICAD/UNDP Africa Bureau, New York
E-mail: nicholas.gouede@undp.org
Tel: +1 (212) 906-5954
携帯(ニューヨーク): + 1 (917) 373 5030
プレスキット: www.ticad.net