アフリカの閣僚と開発パートナーがTICAD IVフォローアップの枠組みを検討
プレスリリース 09-015-J 2009年04月02日
アフリカ諸国の閣僚と中曽根弘文外相率いる日本政府代表団が、パートナー諸国や地域・国際機関、民間企業、市民団体の代表を交えて開催していたTICAD閣僚級フォローアップ会合(於:ハボロネ、ボツワナ)が3月22日、閉幕しました。会合では、2008年5月28日から30日にかけ、横浜で開催された第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)で採択された「横浜行動計画」の履行状況が話し合われました。
「この会合は世界的な金融危機を背景に開催されます」とボツワナ共和国の副大統領モンパティ・セボボディ・メラフェ中将は指摘しました。「横浜行動計画は今後5年間に実施すべき数多くの開発プログラムを内包しています。アフリカの窮状を緩和し、持続可能な開発への道を切り開こうとする私たちの野心的計画に勝る青写真はありません」
「金融・経済危機が開発パートナーの国々の経済を大きく揺るがしているにもかかわらず、多くの分野で進捗が見られました」と中曽根外相は述べました。「私は、フォローアップの初年度として大変良いスタートを切っていると確信したところです」
また、中曽根外相はスピーチで「日本は国際通貨基金(IMF)に対する最大1,000億ドル相当の融資や、国際金融公社(IFC)と国際協力銀行(JBIC)の発意による30億ドル規模の『途上国銀行資本増強ファンド』などの施策を打ち出しており、アフリカ諸国もこれを活用することを歓迎します」と発言。その上で、「これにより、インフラ整備、人材育成、農業といった分野で、経済成長をより強力に促進することができます。また、コミュニティ開発、教育、保健、水・衛生などといった分野におけるアフリカ諸国の取り組みをより強く後押しするとともに、環境分野の支援をより一層拡充・強化していきます」と付け加えました。
世界的な金融・経済危機の中で、アフリカ開発を加速する取り組みの一環として、日本政府は20億ドル規模の無償資金協力と技術協力を速やかに実施すると発表しました。
TICAD閣僚級フォローアップ会合は、TICAD IV後の初の重要イベントとして開催されました。発出されたコミュニケで、参加者はTICAD IV以後の進捗状況を審査するとともに、世界的な金融・経済危機がアフリカに及ぼす悪影響に対する懸念を表明しました。また、共同議長国として、世界的な金融・経済危機の影響に対する見解と懸念を反映したこのコミュニケを、4月2日にロンドンで開催予定のG20サミットに伝えるとする日本政府の申し出を歓迎しました。
アフリカ担当事務総長特別顧問を務めるシェーク・シディ・ジャラ国連事務次長は「アフリカ貧困層の70%が農村部に暮らすことを考えれば、農業研究や緑の革命、地力の改善や小規模農家に対する支援を通じて食料生産と農業生産性を向上することも、貧困の削減と経済成長の促進に欠かせません」と指摘しました。
「ミレニアム開発目標(MDGs)達成のめどをつけるために必要な規模の公共投資を確保するには、アフリカ諸国への十分な資金供与が必要です」と語るのは、テゲネウォー・ゲッチュ国連開発計画(UNDP)総裁補・アフリカ局長です。「事実、MDGsは公約済みの援助の履行で達成できます。ドナー・コミュニティに必要なのは、約束した援助を提供することなのです」
チエリー・タノー IFC副総裁は次のように述べています。「金融危機の規模からして、場当たり的な対応はまったく効果がありません。この危機がアフリカに及ぼす最悪の影響を和らげるためには、アフリカ諸国政府、国際金融機関、そして二国間パートナーの3者間で合意を作り上げる必要があります」
1993年に東京でスタートしたTICADプロセスは、アフリカの社会経済の成長と発展を促進するため、アフリカの指導者と開発パートナーとの間でハイレベルな政策対話を行うために開始されました(TICAD I)。このプロセスはさらに1998年のTICAD II、2003年のTICAD III、そして2008年のTICAD IVへと引き継がれ、アフリカ大陸の持続可能な開発に向けた取り組みの環境を整える重要な世界的枠組みへと発展しています。TICAD閣僚級フォローアップ会合には、アフリカ48カ国の閣僚級代表37人を含め、総勢434人が参加しました。
さらに詳しい情報については、下記にお問い合わせください。
Nicholas N. Gouede(TICAD共催者向け窓口)
TICAD/UNDP Africa Bureau, New York
E-mail: nicholas.gouede@undp.org
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