国連安保理、30日間のシリア停戦に合意
2018年02月27日
2018年2月24日-国連安全保障理事会はきょう、シリアでの30日間の停戦を求める決議を全会一致で採択し、戦争で荒廃した孤立地域への包囲を直ちに解くよう要求しました。特に東グータ地域では、アントニオ・グテーレス事務総長が先に指摘したとおり、約40万人が「この世の地獄」で暮らしています。
決議は30日間のシリア全土での停戦に加え、週1回の救援物資輸送、医療救助、特に東グータに対する包囲の即時解除も求めています。
決議は、いわゆる「イラクとレバントのイスラム国(別名ISIL/ダーイシュ)」、アルカイダ、ヌスラ戦線に対する軍事作戦が停戦の対象とならないことを確認しています。
表決に先立ち、クウェートとともに決議を共同で起草したスウェーデンのオロフ・スクーグ国連大使は、これを「行動を起こすための断固とした緊急の試み」と形容し、「皆様の1人ひとりに正しい行い」を期待すると述べたうえで、人道援助車両の「出発準備は整っている」と付け加えました。
安保理議長を務めるクウェートのマンスール・アル・オタイビ大使は、表決結果の発表にあたり「長く困難な交渉の末、私たちがきょう、この決議を全会一致で採択できたのは、決議案の共同起草国であるクウェートとスウェーデンに、この問題に関するコンセンサスを確保しようとする熱意があったからです」と述べました。
アントニオ・グテーレス事務総長は、決議の採択を歓迎する声明を発し、「特に人道援助とサービスが即時に安全で支障なく持続的に提供され、重病人と重症者が救助され、そしてシリア国民の苦痛が緩和されることを確保するため、決議が直ちに実施、持続される」ことへの期待を強調しました。
さらに、事務総長声明は「国連には、その役割を果たすべき準備ができている」と付け加えています。
グテーレス事務総長はすべての当事者に対し、「国際人道・人権法に基づき、民間人と民生インフラを常に保護する絶対的な義務」があることを改めて強調しました。
事務総長は「同様に、テロとの闘いを目指す取り組みも、こうした義務に優先するものではない」と述べ、声明を締めくくっています。
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