事務総長、元ニューヨーク市長を気候変動担当特使に任命
2018年03月14日
2018年3月5日-アントニオ・グテーレス国連事務総長はきょう、元ニューヨーク市長のマイケル・R・ブルームバーグ氏を気候変動担当事務総長特使に任命しました。
グテーレス事務総長はニューヨーク本部で記者団に対し、「(ブルームバーグ氏の行動は)大きな変化をもたらし、私たちがやがて気候変動に先手を打ったり、勝利をおさめることができるようになり、パリ協定を全面的に、しかもより大きな野心をもって履行することができると私たちに確信させてくれました」と語りました。
さらに事務総長は「今世紀末までの気温上昇を(摂氏)2度未満、さらには約1.5度に抑えるためには、このように野心を高めることが必要です」と付け加え、すべての国が気候変動に対処し、その影響に適応するための態勢を整えるとともに、開発途上国によるこのような取り組みへの支援を強化するという、3年前に採択されたパリ協定の中心的な目標に言及しました。
事務総長の報道官によると、都市と気候変動に関する国連特使を務めた経験もあるブルームバーグ氏は、2019年に国連本部で開催予定の気候サミットに向け、事務総長の気候変動に関する戦略と取り組みを支援することになります。このサミットは、2020年の気候変動ターゲット実現を目指し、より強力かつ野心的な行動の結集を図るものです。
ブルームバーグ特使は、持続可能な開発との関連で、パリ協定の迅速で本格的な履行を促すため、気候サミットの主要分野での取り組みを活用していく予定です。
今回の発表ではさらに、2020年までに排出量曲線の方向を変え、パリ協定の履行を加速するため、事務総長が各国政府、ビジネス、金融、市民社会団体からリーダーを起用したり、招いたりしていくことも明らかにされています。
「事務総長とブルームバーグ氏は、地球の気温上昇を摂氏2度未満に抑えるためには、直ちに排出量のギャップを埋める必要があるという見方を共有しています。都市や地方のアクターによるものを含む気候行動は、気候変動に関する野心を高めるうえで欠かせない役割を果たしています」発表はこのように付け加えています。
都市と気候変動に関する国連特使を務めた経験に加え、ブルームバーグ氏は金融安定理事会の気候関連財務情報開示タスクフォース議長にも任命されました。
すでに作業を完了しているこのタスクフォースは、企業が貸手や保険業者、投資家その他のステークホルダーに情報を提供する際に利用できる自主的な気候関連財務情報の開示を定めています。
2002年から2013年にかけ、ブルームバーグ氏は第108代ニューヨーク市長を務めました。1966年にソロモン・ブラザースでキャリアをスタートさせたブルームバーグ氏は1981年、金融ニュース・情報サービス会社のブルームバーグ(Bloomberg LP)を設立しています。
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