平和維持への期待は「資源を大きく超過」とグテーレス事務総長
2018年10月10日
2018年9月25日-「平和維持に対する期待はこれまで、その資源を大きく超過してきました」アントニオ・グテーレス国連事務総長はきょう、ニューヨークの国連本部で開かれた国連平和維持活動(PKO)70周年記念ハイレベル会合の冒頭で、各国首脳に対してこのように述べました。
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グテーレス事務総長は、今年3月のPKOのための行動(A4P)イニシアティブの立ち上げに至る要因として、就任当初の数カ月間に生じた悲劇的な数の平和維持要員の死亡と、その後の報告書「Improving Security of United Nations Peacekeepers(国連平和維持要員の安全改善)」で出された提言を挙げました。
平和維持要員は、現地の複雑な紛争や行き詰まった和平プロセス、多国籍テロの激化に対処せねばなりませんが、グテーレス事務総長によると、平和維持要員が直面する最も大きな課題は、期待と現実とのギャップです。
A4Pには、より現実的な期待をもって平和維持の焦点を定め直すこと、ミッションをより強く、安全にすること、より大きな政治的支援を動員すること、そして「ブルー・ヘルメット」の装備と訓練を改善することにより、このギャップを埋めるねらいがあります。
国連PKOに対する中心的な期待とは、ミッションを成功に導けるよう政治的解決をさらに推進すること、そして民間人を保護することの2つです。グテーレス事務総長はこの2点目につき「私たちの失敗の悲劇的な結末を決して忘れることはできない」と語っています。
グテーレス事務総長によると、A4Pイニシアティブはすでに具体化しており、より先を見通す責任あるミッション、訓練と装備に対する革新的なアプローチ、平和維持における女性の役割を強化するための積極的な措置などを通じ、国連がいかにそのマンデートをより良く遂行できるかを、独立した形のレビューで判定しています。
グテーレス事務総長は、性的搾取と虐待の疑いについても触れ、こうした案件については、被害者からの支援も得ながら、より迅速な対応が行われており、正義を求めるという点でも、国連はより効果を上げられるようになったと語りました。
グテーレス事務総長は、PKOの成果は単に平和を維持することを超越すると指摘し、次のよう述べました。「ブルー・ヘルメットは、数百万人の避難民を保護し、命を救う人道援助の提供を支援しています。その存在は、最も弱い立場に置かれた人々との国際的連帯を示す力強いメッセージを送っているのです」
しかし、事務総長によると、国連がその目標を達成するためには、地域機関や小地域機関とのパートナーシップが重要となります。テロ対策や平和執行に関する限り、アフリカ連合(AU)によるマンデートを受けたものを含むアフリカでの平和活動は、不可欠な役割を果たしています。
事務総長は、さらに多くの国に国連PKOに関する共同コミットメント宣言に対する支持表明を求めました。9月25日現在、146カ国以上の政府が支持を表明していますが、事務総長は平和維持を将来に適したものとするため、予測可能で十分かつ持続可能な資金を含め、国連PKOに対する支援の増大を強く促しました。
兵員や警察官、資金を提供する各国の首脳、平和維持マンデートの管理者、そして平和ミッションを受け入れている国々の政府に謝意を表明しつつ、グテーレス事務総長は、コミットメント宣言が平和維持関係者に明確なアジェンダを示した今こそ、約束を行動へと移す時だと述べました。
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