「持続可能なファッションのための国連アライアンス」とは?
2019年05月27日
「持続可能なファッションのための国連アライアンス」(United Nations Alliance for Sustainable Fashion)は、ファッション部門の協調的行動を通じ、持続可能な開発目標(SDGs)に貢献することを目的に、国連諸機関と連携団体が立ち上げたイニシアティブです。アライアンスは具体的に、ファッションの問題に取り組み、ファッション業界のバリューチェーンがSDGsのターゲット達成に貢献することを確保するプロジェクトや政策を促進する国連機関間の調整支援に努めています。
アライアンスの理解によると、ファッションには繊維や関連素材から作られた衣料、皮革、履物が含まれます。アライアンスの活動は、原材料の生産や衣服、アクセサリー、履物の製造から、その流通、消費、処分に至るまで、幅広い範囲に及びます。
持続可能性には、労働者の作業条件や報酬などの社会問題のほか、産業廃棄物の削減や水質汚染の改善、温室効果ガス排出量削減への寄与をはじめとする環境問題も含まれます。
国連はアライアンスを通じ、ファッションがたどる道筋を変え、その環境と社会への悪影響を減らし、ファッションをSDGs達成の原動力とすることを約束しています。
衣料・繊維産業の現状…
- 全世界の製造業に2.4兆ドルの寄与
- 全世界で7,500万人を雇用(ほとんどが女性)
- 全世界の温室効果ガスの8~10%を排出
- 全世界の廃水汚染の20%はこの産業に起因
- 毎年、衣服の不十分な活用とリサイクルの欠如により、5,000億ドルの価値が喪失
ファッションと持続可能な開発
ファッション部門の主体には、持続可能な開発目標(SDGs)を達成するために果たすべき不可欠な役割があります。ファッション業界は、全世界で約6,000万人を雇用する2.4兆ドル規模の産業となっていますが、従業員のほとんどは女性であり、しかもその規模は今後も成長の一途をたどるものと見られています。
その規模とグローバルな浸透力から見て、ファッション部門での持続不可能な実践は社会的、環境的開発指標に大きな影響を及ぼします。ファッションの生産プロセスと消費パターンに大幅な変化が見られない限り、この部門の社会と環境へのコストは増え続けるでしょう。
アライアンスの目的
積極的な協業の促進
アライアンスは、アウトリーチ・イベントや研究、新規ガイドラインを含む共同活動の発展を通じ、協業を支援します。
知識の共有
アライアンスは、知識プラットフォームを通じてベストプラクティスやデータ、メンバーの活動の透明性を高めることにより、より効果的な知識共有を促します。
相乗効果の向上
アライアンスは、既存のイニシアティブのハーモナイゼーションと相乗効果の向上に努めます。
アウトリーチとアドボカシー
アライアンスは、国連の声を一つにまとめ、民間セクターや政府、非政府組織その他関連のステークホルダーを対象としたアウトリーチとアドボカシーに努めます。
原文(English)はこちらをご覧ください。
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