本文へスキップします。

  • プリント

ここから本文です。

十代の活動家グレタ・トゥーンベリさん、ヨットでニューヨークに到着 「気候危機」に注目を集める(UN News 記事・日本語訳)

2019年08月30日

持続可能な開発目標(SDGs)の各目標を帆に掲げた17隻のヨットを従え、きょうニューヨーク港に到着したスウェーデンの16歳の気候活動家グレタ・トゥーンベリさん(2019年8月28日)© UN Photo/Mark Garten

2019年8月28日 ― 9月に国連本部で開催される2つの重要な気候サミットに参加するため、ユース気候活動家のグレタ・トゥーンベリさんが本日、2週間にわたる大西洋横断航海の末、ニューヨークに到着しました。

スウェーデン出身の十代の若者トゥーンベリさんは、人間の活動によって全世界で生じている温室効果ガス排出量と汚染の増大がもたらす危険に対する認識を高めるため、燃料を大量に消費する航空機の利用を拒み、ゼロカーボンの移動手段を選びました。

窮屈な空間で快適な生活が送れなかったにもかかわらず、トゥーンベリさんは父と2人の乗組員、そしてカメラマンとともに、電力を供給できるソーラーパネルと水中タービンを備えた全長60フィート(約18メートル)のレーシングヨット「マリツィア2号」で海を渡りました。

2030年までによりよい世界をつくるというトゥーンベリさんのミッションに賛同と連帯を示すため、国連は17隻のヨットを連ね、16歳のトゥーンベリさんをヴェラザノ=ナローズ橋に迎えました。

トゥーンベリさんは「国連は17の 持続可能な開発目標(SDGs)を1つずつ象徴するボートを送ってくれました。ありがとうございます」とツイートしています。

「私たちはトゥーンベリさんを歓迎するとともに、長旅の疲れを癒す快適な滞在を願っています」ステファン・ドュジャリク事務総長報道官は、ニューヨークで記者団にこう語りました。

ボートの一群がトゥーンベリさんを迎えたヴェラザノ=ナローズ橋は、ニューヨーク市のスタテン島とブルックリンという2つの区を結んでいます。

17隻のボートはマンハッタンのノースコーブ港まで、トゥーンベリさんのヨットに付き添いました。2015年に国連で世界のリーダーが全会一致で採択した気候変動に関するSDGs目標13と、2030年までによりよい世界を目指すその他16の目標を達成するための行動への支援を結集するという、そのミッションに対する賛同と連帯を示すためです。

変革の力を発揮する若者

 「全世界の若者は、すべてのリーダーによる緊急の気候変動対策を要求しています」

「若者たちは、炭素排出量を大幅に削減することで、地球を守り、人々の福祉を確保するために必要な構造転換をもたらす変革を先頭に立って進めています」こう語るのは、アミーナ・モハメッド国連副事務総長です。

モハメッド副事務総長は「時間切れが迫っている」と警告しつつ、国連が「グレタさんをはじめ、ユース気候サミットと気候行動サミットに解決策を持ち寄ることを求める事務総長の呼びかけに応えた数百人の若き活動家やリーダーを迎えられることを誇りにしている」ことを認めました。

「私たちの個々の行動、そして団結した行動が、世界を変容させ、生命を救うとともに、すべての人に尊厳ある生活を確保することになるでしょう」副事務総長はこう断言しています。

気候サミットのねらいは、気候変動対策を進め、持続可能な開発のための2030アジェンダの多くを達成できるよう、最も高いレベルで政治的、経済的野心を動員することにあります。

9月の国連気候サミットに出席するため、ニューヨーク港にヨットで入港した16歳の気候活動家グレタ・トゥーンベリさん@GretaThunbergからのTwitter画像

十代の若者が掲げる気候行動ミッション

 2週間ぶりに陸地に足を置いたトゥーンベリさんは、記者会見で次のように語りました。「本当はこんなことをするよりも、ただ学校に行きたいのですが…世界を変えたいという気持ちが勝っています」

トゥーンベリさんは、気候危機をもたらしたのは「上の世代」だとしたうえで、この世代の人たちが「『子どもは子どもらしくしなさい』と言うべきではありません。私たちは、その人たちがしたことの後始末をしているだけなのです」と話しました。

若き環境活動家は昨年8月、たった一人で気候変動対策を求める「学校ストライキ」を起こして以来、全世界の人々の心を奪ってきました。

当時まだ15歳だったトゥーンベリさんは、大胆な気候変動対策を求めるデモ看板を掲げ、スウェーデン国会の前に一人で立ちました。

トゥーンベリさんがメディアの関心を集め始めると、他の学生もそれにならい、それぞれ地元のコミュニティーで同じような抗議行動をスタートさせました。

* *** *

原文(English)はこちらをご覧ください。