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国連総会、東京2020開催中のオリンピック停戦を全加盟国に呼びかけ(UN News記事・日本語訳)

2019年12月27日

国連本部に掲げられた国連旗と五輪旗(資料画像)©UN Photo/Evan Schneider

国連総会は2019年12月9日、加盟国に対し、東京で来年開催されるオリンピック・パラリンピック大会との関連で、オリンピック停戦を守るよう呼びかけました。オリンピック停戦は古代ギリシャからの伝統として、大会期間前、期間中、期間後の戦闘行為の停止を求めるものです。

この象徴的な停戦は、2020年7月24日から8月9日にかけて開催される第32回オリンピック大会と、2020年8月25日から9月6日にかけて開催される第16回パラリンピック大会の1週間前にスタートする予定です。

コンセンサスで総会決議を採択した193の国連加盟国は「オリンピック停戦の価値を全世界で集団的に実現すること」の重要性を強調するとともに、大会の「期間中とその後に、紛争地域で平和、対話、和解を促進するためのツールとしてスポーツを活用しようとする国際オリンピック委員会(IOC)と国際パラリンピック委員会の取り組みに協力すること」で合意しました。

古代ギリシャのオリンピック停戦(ekecheiria)の伝統は紀元前8世紀、「平和的な環境を促し、大会に集まる選手と関係者の安全な通行とアクセス、参加を確保することにより、世界の若者を平和という理念のもとに結集させること」を目的に生まれました。

オリンピック停戦決議も国連の伝統となり、2年に1回、それぞれ冬季大会と夏季大会の開催に先立ち採択されてきました。

来るオリンピックに関し、きょう採択された決議は「人々にベストを尽くすよう促し、世界の市民の間で多様性の中での結束に対する意識を高め、将来世代にポジティブな遺産を残すことにより」プラスの改革を成し遂げるという、東京2020大会のビジョンに留意しています。

また、東京2020が「Be better, together/より良い未来へ、ともに進もう」というサステナビリティー原則に基づき、持続可能な形での大会運営を確保し、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に寄与することをねらいとしている点も認識しています。

東京2020とUN75は「共有の価値」を祝う機会

加盟国はまた、東京2020が2018年の平昌大会、2022年の北京大会とともに、3回連続で アジアで開催されるオリンピック・パラリンピック大会の2回目にあたり、それによって3国間のスポーツとそれ以外の分野におけるパートナーシップが強まることも想起しました。

決議案を提出した東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長は、人間は理解を深めることによって共生できることを強調しました。そして、平和はオリンピック創設当初からの理念であり、国際社会は将来の世代のためにオリンピックを振興することを任務としなければならないと述べました。

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長と会談するアントニオ・グテーレス事務総長(右)©UN Photo/Mark Garten

国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は、近代オリンピック創始者のピエール・ド・クーベルタンが、125年前にオリンピック大会を復活させた際、すべての国と人々の間で平和を促進する手段としてオリンピックを考えていたことを想起しました。

きょう総会が採択した決議は「そのビジョンが今も引き継がれていることをはっきりと物語っています」OIC会長はこのように語るとともに、決議は国連、OIC双方の基盤をなす共有の価値を改めて強調するものでもあると付け加えています。バッハ会長は、2020年のオリンピックが国連創設75周年にも当たることから、この共有の価値を祝う上で絶好の機会になると明言しました。

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原文(English)はこちらをご覧ください。