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COVID-19パンデミックについて国連メディカル・ディレクターからの大切なアドバイス:「落ち着いて、手を洗いましょう」

2020年03月24日

ジリアン・ファーマー国連メディカル・ディレクター(左)と、メリッサ・フレミング グローバル・コミュニケーション担当国連事務次長

国連メディカル・ディレクターからの大切なアドバイス:
「落ち着いて、手を洗いましょう」

2020年3月14日ー国連メディカル・ドクターのジリアン・ファーマー博士がメリッサ・フレミング グローバル・コミュニケーション(DGC)担当事務次長と会い、新型コロナウィルス感染症・パンデミックがもたらしているこれまでの影響と、この疾病に関してスタッフが知るべきことについて語りました。

ファーマー博士は、2014年の西アフリカでのエボラ出血熱、近年ではジカ・ウイルスの蔓延などの重大な疫病にこれまで対処してきましたが、COVID-19パンデミックは初めてニューヨーク市に直接インパクトを与えたとの見解を示しました。

他の疾病と違うのは、「今あなたの目の前にいる人があなたを感染させる可能性があるのかどうか知るすべがない」ことです。

ファーマー博士は「多くの誤った情報が拡散し、疾病に対して必要以上の恐怖を引き起こしていると思う」と述べています。

自覚を持ち、先を見越して行動することは重要ですが、「落ち着いて慎重に」パンデミックに対処すべきであると博士は語りました。

総体的に見ると、「ウイルスに感染して集中治療室に入ることになるよりも、道を歩いていて事故にあう」確率のほうが高いと言います。

「ゼロリスクの状態に達することはできない」と認めつつも、スタッフの配置、通勤によるウイルスへの曝露、および国連本部の利用者数を減らし、さらに一時的に一般公開を中止したことにより、国連本部ビルを使用する人数の「削減に成功」し、リスクを下げることができているとファーマー博士は述べています。

知るべきこと

米国の政府機関である疾病対策センター(CDC)からの「最重要メッセージ」は、「落ち着くこと、そして手を洗うこと」だと博士は言います。

すべての人と同様、スタッフも手洗いと手の衛生を最優先する必要があるということです。

「アルコールで手をこする必要はなく、25ドルも払って除菌用ローションの小瓶を買う必要もない」そうですが、「人との距離を保つこと、特に具合の悪い人に近づかないこと」が重要であると語っています。

また博士は、体調が悪いときに仕事に行くという「考えを改める」ことをスタッフに要請しました。

自信がない場合、出勤するのではなく、体調が万全になるまで自宅に留まるよう求めました。

「おかしいと思ったら出勤せず、同僚を守り、それからアドバイスを求めてください」と述べています。

博士によると、COVID-19はやがて普通の風邪やインフルエンザと同じように見られるようになるだろうということです。

「恒久的で劇的な行動の変化が起こるとは思いません」と博士は語りました。

リスク

あるコミュニティーにおける免疫、いわゆる「集団免疫」が90%より低い場合、病気はコミュニティー内で急速に広がります。

世界保健機関(WHO)がCOVID-19をパンデミックと呼ぶのは、「これまで誰も見たことがない全く新しいもの」だからであり、だからこそ「ゼロ免疫からスタートしている」のだと国連メディカル・チーフは述べています。

現在の目標は、社会距離戦略(social distancing)、手の衛生、顔に触れないこと、そして「家族が待つ自宅に戻ったときに手の衛生」に注意することにより、広がる速度を抑えることだと語っています。

博士は脆弱性に関する混乱に言及し、ニューヨーク市が50歳以上の人を正式なハイリスクグループと宣言したと述べました。

免疫システムは時間とともに変化するため、「年齢が高くなるほど脆弱になる」と博士は説明し、さらに持病がある人もリスクがあるとして、肺疾患、高血圧、心臓疾患、きちんと管理されていない糖尿病などを挙げました。

また化学療法を受けて回復期にある患者や、ステロイドなどの免疫抑制剤を服用している人など、免疫機能が低下している人もリスクがあると述べました。

最大の懸念:検査を受けること

ファーマー博士は、国連は地球上で最も危険で困難な場所で活動しており、そうした状況から「私たちは目をそらさない」と言い、国連のスタッフがCOVID-19パンデミックの挑戦に立ち向かえると信じていると語りました。

博士はすべての人に対し、「実利を重んじ」、「検査だけに気を取られないようにする」ことを奨励しました。

検査が受けられない場合には感染症として対応すること、つまり「体調が良くなるまで、…そして良くなった後も72時間の間自宅に留まること」です。

国連メディカル

ファーマー博士は、国連の内部医療システム全体、現場の衛生サービス、労働衛生サービス、健康に関連したすべての医療行政便益、および国連が世界中で運営する400の保健医療施設のガバナンスと監督を管理しています。

1月中旬以来、全職員が今やパンデミックとなったこの疾病と闘う準備ができていることが最優先となっている、と博士は強調しました。

 

執筆者について

メリッサ・フレミング

メリッサ・フレミング氏は2019年9月1日付でグローバル・コミュニケーション担当国連事務次長に着任しました。

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原文(English)はこちらからご覧ください。