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2013年は国際水協力年:すべての人が良質な水を利用できるようにしよう

2013年04月17日

国連は2013年を「国際水協力年」に指定しています。世界各国が「水」という貴重な資源を利用していくうえで、協調して取り組む基盤づくりを目指します。2月には国際年の正式なスタートを記念する行事が行われ、今後の活発な取り組みが期待されています。

国際社会が一年を通じて共通の問題に取り組む国際年は、グローバル社会が抱える大きな課題について、「相互依存」の精神に基づいて考え、それぞれの地域で行動を起こすことを目的としています。国際水協力年が制定された背景には、どのような課題があるのでしょうか。一緒に見てみましょう。

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国際水協力年
International Year of Water Cooperation 2013

国連は2013年2月11日、国際水協力年を正式に開始しました。各国が水という貴重な資源を平和と開発に資する形で管理することを目指し、協調してこれに取り組むための基盤を提供することを目指します。

「水は人間と地球の福利の中心にあるものです」潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は「2013年国際水協力年」に向けたビデオ・メッセージの中でこのように述べるとともに、「私たちは、この脆弱で有限な資源である水を保護し、慎重に管理するために協力しなければなりません」と訴えました。

世界人口の半数以上の人々が日々の暮らしを複数の国で共有された水資源に頼って生活しており、また、世界全体の90パーセントにおよぶ人々の居住している国では、河川や湖沼の流域を他国と共有しています。しかし、世界276の国際河川流域のうち、その60パーセントではいかなる共同管理体制も構築されていません。

事務総長は、需要の高まりと気候変動に伴い、すべての人が良質な水を利用する機会を確保するためには、各国が協力して取り組むことが極めて重要になると強調しました。

「水に対する圧力は、毎年高まり続けています」と事務総長は述べています。「世界の3分の1の人々は、すでに中程度~深刻な水ストレス状態となっている国で暮らしています。農民と遊牧民、工業と農業、都市と農村の間では、それぞれ競争が高まっています。水資源の上流と下流、国境といった枠を超えて、私たちは現在と未来を見据え、すべての人の利益のために協力する必要があるのです」

タジキスタンからの提案を受け、2010年の国連総会で「国際水協力年」が宣言されました。2013年は、持続可能な経済開発、気候変動、食料安全保障など、水の協力に関する様々な面について、関心を高め、迅速な行動を促す年になるでしょう。

水資源の過剰利用、管理、資金調達など、これらすべての側面が極めて重要であり、様々なレベルでの協力が欠かせません」と、国連教育科学文化機関(UNESCO)の科学専門官であるアナ・パーシック氏は、国連本部での国際水協力年の開始を記念する記者会見で述べました。「水が人の暮らしに不可欠であるのは当然ですが、この地球を守り、持続可能な形で管理しようという視点に立てば、人の暮らしに留まらず、水は地球上の生命全体にとって極めて重要なものなのです」

国際水協力年ウェブサイト(英語)
http://www.unwater.org/watercooperation2013.html

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国際水協力年のロゴマーク。日本語を含め、国連公用語以外の言語によるロゴも豊富にそろっているのは珍しい
スーダンの北ダルフール・エルファシャ州近くにある国内避難民キャンプで暮らす2歳のイシュマエル・アダム君。安全な飲料水へのアクセスは国連ミレニアム開発目標(MDGs)の達成のうえで欠かせない©UN Photo/Albert Gonzalez Farran
「水協力に関するハイレベル・ダイアローグ」のオープニングで、タジキスタンのアキル・アキロフ首相と握手を交わす潘基文(パン・ギムン)事務総長。国際水協力年はタジキスタンからの提案を受け、2010年の国連総会で宣言された©UN Photo/Rick Bajomas