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災害の多い日本で「1.5℃の約束」気候キャンペーンにメディアが結集(SDG メディア・ゾーン報告記事・日本語訳)

2022年10月25日

ニューヨーク、9月26日 - 先週、台風14号が西日本を襲い、洪水や土砂崩れを引き起こしました。台風が猛威を振るった日本列島は、地球温暖化が進めば、より多くの台風の襲来が予測される進路上に位置しています。

日本や世界各地では、2022年も熱波や干ばつ、森林火災、洪水、その他の異常気象事象に見舞われています。

地球温暖化の影響を受ける日本は、2030年までに温室効果ガス排出量を少なくとも46%削減し、2050年までに排出量正味ゼロを達成することを約束し、近年、気候行動を加速させています。

そうした中、現在、日本のメディアが「1.5℃の約束いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」キャンペーンの下で結集し、破滅のシナリオを回避するために、個人と組織による行動変容を呼びかけています。

SDGメディア・ゾーンで放送された「1.5℃の約束」キャンペーン動画から

1.5℃の約束」は、持続可能な開発目標(SDGs)の推進に向けて国連と連携するメディアのグローバルネットワーク、「SDGメディア・コンパクト」に加盟するメディア組織の取り組みから生まれたイニシアチブです。東京の国連広報センター(UNICが協働する「1.5℃の約束」は、この種の取り組みとしては世界初となる国レベルのキャンペーンです。

その目的は、世界の平均気温上昇を産業革命以前と比較して1.5℃に抑える必要性について理解を促進し、気候変動に歯止めをかけるための具体的なアクションを提示し、個人や組織に行動変容を促すことです。

SDGメディア・ゾーンで放送された「1.5℃の約束」キャンペーン動画から

国連グローバル・コミュニケーション局を統括するメリッサ・フレミング国連事務次長は次のように述べています。「科学は、人々の命と生活が危機にさらされていると教えてくれます。気候危機は、SDGsのすべての目標の達成を脅かします。私たちのライフスタイルはこの地球に多大な影響をもたらし、そして私たち全員が解決策の一部となれます」

6月中旬の始動以来、本キャンペーンには、SDGメディア・コンパクトに加盟する日本のメディア130社超に参加が増え、協働して広く一般社会にメッセージを届けています。

大阪の街頭ビジョンに表示された「1.5℃の約束」キャンペーンの公共広告。写真提供:UNIC Tokyo

さらに、主要12都市では街頭の大型ビジョンに15秒のキャンペーン動画が放映されています。東京で最も名の通ったビジネス街である大手町、丸の内、有楽町にも、動画を再生する街頭ビジョンが出現しています。さらに、東急電鉄の「SDGsトレイン」では、車内ビジョンの画面にこれらの動画を映し始めました。

東急電鉄の「SDGsトレイン」。写真提供:東急グループ

NHK、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビのキー局6社も、SDGs の7回目の「誕生日」にあたる9月25日に「1.5℃の約束」に関する約1時間の特別番組を放送しました。

「日本は温室効果ガスの主要な排出国の一つであると同時に持続可能性やグリーン・テクノロジー、エネルギー効率化の革新者でもあり、率先して道を示すことができます。このキャンペーンにより、日本全体でアクションが沸き起こり、他国にもインスピレーションを与えることを期待します」フレミング事務次長はこのように強調しました。

本キャンペーンは、個人レベルでの気候アクションを呼びかける国連本部の「ActNow」グローバル・キャンペーンの一環として展開します。

石川県金沢市の通りで。写真提供:UNIC Tokyo

キャンペーンタイトルの「1.5℃の約束」には、日本を含む国連気候変動枠組条約(UNFCCC)締約国が、昨年11月に開催された気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)で示した、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1.5℃に抑えることを事実上の目標とする決意をあらゆる個人と組織がともに支え、実行する決意が含まれています。スローガン「いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」には、その目標に向かって具体的なアクションを取る必要性を訴えるメッセージが込められています。

国連総会の SDG メディア・ゾーンで放送された
「1.5℃の約束」キャンペーン関連動画はこちらから↓

UN Web TV: https://media.un.org/en/asset/k1x/k1x1wlsuhd

YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=l3OsnTC46l0

SDGメディア・コンパクトとは

2018年9月、アントニオ・グテーレス国連事務総長が31社の創設メンバーとともに立ち上げた「SDGメディア・コンパクト」は、世界中の報道機関とエンターテインメント企業に対し、その資源と創造的才能をSDGs達成のために活用するよう促すことを目的としています。現時点でアフリカ、アジア、米州、オーストラリア、欧州、中東から300社近くがSDGメディア・コンパクトに加わっています。事実やヒューマンストーリー、ソリューション(解決策)を発信することにより、同コンパクトはSDGsに関するアドボカシーと行動、説明責任の強力な原動力となっています。

ActNowとは

ActNow は、個人レベルでの気候アクションをグローバルに呼びかける国連のキャンペーンです。このキャンペーンは、気候変動に対する認識と野心を高め、対策を強化するとともに、パリ協定の履行を加速するための国連による協調的取り組みに欠かせない要素です。ActNowは、個人を啓発し、主として消費パターンやライフスタイルの見直しなどによる行動変容を促すことを目標としています。人々が日常生活で下す決定は、地球全体に影響します。人々の習慣や決まり事を変え、環境に対する悪影響が比較的小さい選択を行うことにより、人々は気候変動という課題に立ち向かう力を得られるのです。

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原文(English)はこちらをご覧ください。