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シリア危機と国連の対応 【ウィークリー・アップデート第3号】

2013年08月14日

国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。

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ウィークリー・アップデート
国連広報局(DPI)第3号/2013年8月7日

8月2日、ナビ・ピレイ国連人権高等弁務官は、シリアの武装反政府勢力が7月、アレッポのカーン・アルアッサルの戦闘で捕虜にした政府軍兵士数十人を処刑した疑いがあることに対し「大きな衝撃」を表明しました。ピレイ氏は記者発表の中で、現地の人権高等弁務官事務所(OHCHR)チームがこの報告について調査中であり、すでにカーン・アルアッサルで反政府軍が撮影したビデオを分析し、アレッポの人々から証言を集めていると述べました。「カーン・アルアッサルの事件は、全ての当事者による国際人道・人権法の重大な違反が、シリア紛争では当たり前の悲劇となっていることを改めて物語っています」とピレイ高等弁務官は付け加えました。

-ピレイ人権高等弁務官によるステートメントはこちらをご覧ください。

同じく8月2日、ヴァレリー・エイモス国連人道問題担当事務次長 兼 緊急援助調整官も、シリアで民間人が保護されていないことに対するいら立ちを表明し、全ての当事者に対し、暴力の停止を改めて呼びかけました。「民間人の死亡につながる行為を停止し、支援団体によるアクセスを認め、国際人権・人道法に基づく義務を守るという約束を、すべての当事者から取り付ける必要があります」

-エイモス事務次長によるステートメントはこちらをご覧ください。

同日、アンソニー・レイク国連児童基金(UNICEF)事務局長も声明を発表し、ホムスにおいて女性と子どもが置かれた状況が急激に悪化していることに懸念を表明するとともに、アルワエル地区には現在、約40万人の国内避難民(IDP)が暮らしていることを指摘しました。「ここ数日間、アルワエルの状況は悪化し、連日の激しい衝突と、ロケット弾や迫撃砲による多数の死傷者が報告されています」レイク事務局長は記者発表でこのように強調し、被災した家族に救命支援物資を届けるため、安全な人道的アクセスに便宜を図るよう、当事者に強く促しました。

-レイク UNICEF 事務局長によるステートメントは以下をご覧ください。
http://www.unicef.org/media/media_70072.html

8月6日、事務総長報道官室は「シリア紛争における化学兵器使用の疑いに関する国連調査ミッション」を率いるオーケ・セルストレム教授とそのチームがハーグに再度結集し、シリアへの出発に向けた準備を整えつつあると述べました。また、これに伴い、国連本部では、7月のシリアとの合意に基づき、調査の法律面、後方支援面の最終的な詰めが行われていることも明らかにされました。

-事務総長報道官室の発表は以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/offthecuff/index.asp?nid=2912

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、シリア難民への緊急対応に関する自己評価報告書を発表し、難民キャンプにおける子どもの保護の問題に対する懸念を表明するとともに、「現在よりもはるかに本質的かつ整合的な戦略が必要」であることを指摘しました。UNHCR報道官は8月6日、記者からの関連の質問に対し、次のように回答しました。「難民キャンプで弱い立場に置かれた子どもたちを守るため、さらに多くの取り組みが可能なはずです。UNCHRはその現状の把握に努めているところです」報道官はさらに、継続的な必要性という点で見た場合、シリア難民への対応に必要な資金のうち、現在までに確保されているのは現時点で33%に過ぎず、UNHCRは引き続きその能力と資金拠出アピールを検討し続けていくと述べました。

-詳細はこちらをご覧ください。

 

主な国連ニュース記事

シリア難民の子どもたち、トルコで未来への橋を築く
オスマニエ、サリカム難民キャンプ、トルコ、2013年8月2日 – 「圧力を受けずに自分の意見を言えること。自由に、そして安全に暮らすこと」。戦火を逃れ、トルコの難民キャンプで暮らすあるシリア人の子どもは、UNICEFトルコの支援で行われた美術の授業で、子どもの権利をこのように定義しました。
http://www.unicef.org/infobycountry/Turkey_70070.html

シリアではラマダンのごちそうもお預け
聖なるラマダン月が終わりに近づく中、シリアでは依然として、家や財産を捨て、より安全な場所に逃れたおよそ300万人が 毎日、苦闘を続けています。所得がほとんど、あるいは全くないシリアの国内避難民にとって、伝統的なラマダンのごちそうやお菓子は、遠い思い出となりつつあります。
http://www.wfp.org/node/3595/4866/489058

国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク

国連広報局(DPI)シリア特集ページ
http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146&Body=Syria&Body1=

国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/media/index.html

世界食糧計画(WFP)
http://www.wfp.org/countries/syria

人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/crisis/syria

世界保健機関(WHO)
http://www.who.int/countries/syr/en/

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)
http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
http://www.unrwa.org/

ソーシャルメディア

Twitter: https://twitter.com/UN
Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/
YouTube: http://www.youtube.com/unitednations
Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/

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ナビ・ピレイ国連人権高等弁務官©UN Photo/Jean-Marc Ferré
ヴァレリー・エイモス 国連人道問題担当事務次長 兼 緊急援助調整官©UN Photo/Mark Garten
アンソニー・レイク国連児童基金(UNICEF)事務局長©UN Photo/JC Mcllwaine
シリア紛争における化学兵器使用の疑いに関する国連調査ミッションを率いるオーケ・セルストレム氏(左)©UN Photo/Eskinder Debebe
シリアを逃れ、ヨルダンの難民キャンプに避難した母子©UN Photo/Mark Garten