シリア危機と国連の対応 【ウィークリー・アップデート第5号 8/21付資料】
2013年08月29日
国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。
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ウィークリー・アップデート
国連広報局(DPI)第5号/2013年8月21日
8月18日、オーケ・セルストレム教授率いる「シリア紛争における化学兵器使用の疑いに関する国連調査ミッション」がダマスカスに到着しました。
8月19日、潘基文(パン・ギムン)事務総長は国連本部での記者会見で、この専門家チームがシリア国内で14日間に及ぶ活動を行う予定であることを明らかにしました。この期間は双方の合意により延長可能となっています。事務総長は事件の疑いがある現場への全面的な立ち入りを求めました。事務総長は、今回が21世紀初の大量破壊兵器使用の疑いに関する調査であることを指摘したうえで、何らかの状況においていずれかの側による化学兵器の使用が確認された場合には、国際犯罪としてその責任を追及しなければならないと述べました。
ー記者会見の詳細は以下をご覧ください。http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=45650&Cr=palestin&Cr1=
8月20日、ラクダール・ブラヒミ共同特別代表はロシアと米国がハーグで、シリア危機に関する二国間協議を行う予定であることを歓迎しました。ブラヒミ氏自身はこの協議に参加しないものの、ロシア、米国双方の当局と緊密な接触を続けています。近い将来には「ジュネーブⅡ」会議に向けた準備をさらに進める会合も開かれる可能性がありますが、その場所と時期は未定となっています。
ー詳細は以下をご覧ください。
http://www.un.org/sg/offthecuff/index.asp?nid=2935
8月20日、紛争から逃れる民間人の数が増大の一途をたどる中で、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は3万人を超えるシリア難民が先週、イラク北部に流入したほか、シリア北部の広域にわたるコミュニティを逃れた数千人が、さらに入国待ちの状態にあることを明らかにしました。
この難民流入は8月15日、イラク北部のクルド地域政府当局が突然、仮設のペシュカブール舟橋へのアクセスを開放し、前週からこの地域でテント暮らしをしていた数百人のイラク入国を認めたことをきっかけとするものです。UNHCRとパートナー機関のチームは難民流入に対応し、日陰を作るための避難所を設置しました。国境地点では水と食料の配給も開始されています。
UNHCRによると、シリア難民の受入数はレバノンが68万4,000人、ヨルダンが51万6,000人、トルコが43万4,000人、イラクが15万4,000人、エジプトが10万7,000人をそれぞれ超えています。
ーUNHCRによる発表の詳細は以下をご覧ください。
http://www.unhcr.org/521360479.html
8月15日、UNHCRはドバイの世界的備蓄拠点からシリア国内避難民向けに、今年になって最大規模の緊急援助物資の輸送を行っていることを発表しました。33台のトラックで陸路輸送中の救援物資には、10万人分の毛布、2万7,000組を超える13万9,000人分の台所用品、12万5,000人分を超える燃料缶5万個が含まれています。
ーUNHCRによる発表の詳細は以下をご覧ください。
主な国連ニュース記事
UNRWA、シリアでの職員殺害を非難
東エルサレム、2013年8月14日 – 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、イマド・アブデルハフェーズ氏の殺害を強く非難しました。シリア紛争で殉職したUNRWA職員はアブデルハフェーズ氏が8人目で、1カ月足らずの間に2人の職員が命を失ったことになります。
アブデルハフェーズ氏殺害の事実関係はまだ確認されていませんが、UNRWAは誘拐犯が関与している可能性を示唆しています。誘拐は引き続き、シリア紛争の日常的かつ破壊的な特徴の1つとなっています。
http://www.unrwa.org/etemplate.php?id=1846
国連高官、安全保障理事会に民間人保護の強化を呼びかけ
2013年8月19日 – 国連の高官は「世界人道デー」に際して開かれた安全保障理事会会合で、国際社会は武力紛争における民間人保護の取り組みを強化し、戦争犯罪責任者の訴追を確保しなければならないと発言しました。
ヴァレリー・エイモス国連緊急援助調整官は安保理会合でシリア情勢に触れ、民間人の保護という、国際人道法と人権法の最も基本的な原則が守られていないことに対し、重大な懸念を表明しました。
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=45649&Cr=humanitarian&Cr1=
シリアで人道援助要員が日常的に直面する危険を語るUNICEFのイマン・モルーカ氏
紛争が激化、拡大する中で、UNICEFの現地職員と献身的なパートナーたちは毎日、被災した子どもたちや家族のもとへ駆けつけ、大きな困難の中で救命物資やサービスを届けようと悪戦苦闘しています。
http://www.unicef.org/infobycountry/syriancrisis_70158.html
国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク
国連広報局(DPI)シリア特集ページ
http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146&Body=Syria&Body1=
国連児童基金(UNICEF)
http://www.unicef.org/media/index.html
世界食糧計画(WFP)
http://www.wfp.org/countries/syria
人道問題調整事務所(OCHA)
http://www.unocha.org/crisis/syria
世界保健機関(WHO)
http://www.who.int/countries/syr/en/
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)
http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
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